投稿リポート 障害者施設の利用者と
手打ちそばで交流

障害者施設の利用者と手打ちそばで交流

芽室ライオンズクラブ(白樫操会長/25人)は例年、労力奉仕もしくは行政との協働をメインとした十数件のアクティビティに取り組んでいるが、昨今はコロナ禍の影響で実施が難しい状況が続いていた。そうした中でもコロナ禍の収束を願いつつ、事業規模の縮小あるいは実施時期の見直しをしながら何とか事業を継続してきた。

10月25日には障害者福祉施設の利用者に手打ちそばを振る舞う「ふれあい交流会」を開催した。この活動は、社会福祉法人「柏の里めむろ」が2003年に開設した、障害者通所事業所「オークル」と地域活動支援センター「アットホームめむろ」(以下、オークル、アットホーム)の開設後まもなく始めたもので、通所者とメンバーがそば打ちの実演と試食を通じて触れ合い、交流することを目的としている。

開始当初から16年までは「蕎友(きょうゆう)」という手打ちそばの団体との共催で実施していたが、蕎友はその年を最後に解散してしまった。団体を主宰していた貫田正博さんを始め、クラブ内にはそば打ちに興味を持つメンバーが多かったことから、翌年2月に「ライオンズ蕎麦工房」と銘打って、そばに対する造詣と親睦を深める会を開催。その後も幅広く参加者を募りながら会を続けている。その効果もあって、奉仕事業のツールとして手打ちそばを提供出来るレベルに達し、クラブ単独で障害者福祉施設での活動を維持出来るようになった。

その矢先にコロナ禍に見舞われた。昨年度は事業中止を前提としてオークル、アットホームと協議したところ、施設の皆さんは例年の手打ちそばを楽しみにしているということで、施設側では実施を望んでいた。そこで、そば打ちの体験は止むを得ず見送り、事前に打ったそばを昼食時に提供して楽しんでもらうという形で何とか実施することが出来た。

今年度もそば打ちの実演は行わず、利用者の皆さんと交流する場面は少なかったものの、あらかじめ用意したそばを振る舞って多くの皆さんに舌鼓を打っていただいた。来年こそは、施設の皆さんにそば打ちの実演を披露出来るよう願っている。

当クラブでは現在、メンバーによる手打ちそばを生かした青少年育成事業の計画も進めている。それは、芽室町の委託事業である子どもの居場所「風の子めむろ」に対する支援事業に関するものだ。

風の子めむろでは、個食・欠食対策となる、いわゆる「子ども食堂」の運営も行っている。その支援の一環として、昨年末から当クラブ会員に呼びかけて提供を受けた食料品を寄贈している。また、前述のライオンズ蕎麦工房に子どもたちとその保護者を招待。そば打ちを通じて親交を深め、農業を営む会員が中心に、食について知ってもらう活動を展開してきた。しかし、休日開催のため参加する子どもは少数で、マンネリ化の傾向にあることは否めなかった。

そこで今年度は目先を変え「子ども食堂」の開催日にこちらから出向こうということになった。コロナ禍の心配も拭えないため、当面は実演はせずにそばを振る舞うだけで続けていこうと計画している。この事業の受託先及びボランティア団体に打診したところぜひお願いしたいとのことで、細部を詰めながら何とか実施にこぎ着けられるよう努力しているところだ。

食を媒体とした活動は、生きることの楽しさ、喜びにつながり、まさに奉仕の原点であると感じている。今後も時代のニーズに応え、さまざまな工夫を凝らしながら、地域の皆さんと共に食に関わる事業に取り組んでいきたい。

2021.11更新(事務局長/大熊潤司)