国際財団リベリアの人々に届いた
明るく新しい世界

リベリアの人々に届いた明るく新しい世界
視力ファースト交付金を受けて2016年に建設されたリベリア眼科センター

西アフリカのリベリアで、眼科治療を受けることは容易ではない。 眼科医は国内に6人しかおらず、しかも全員が首都モンロビアで働いている。そのうち白内障の手術を定期的に行っている医師は2人だけだ。リベリアでは白内障に起因する失明や深刻な視覚障害が頻発しており、眼科医不足がこうした回避可能な失明の要因となっている。

ライオンズクラブはLCIFから48万6000ドルの視力ファースト交付金を受け、この現状に変化をもたらそうとしている。より多くの眼科医を育成することで、より質の高い眼科治療をリベリアの人々に提供するものだ。そのためにリベリア眼科センター(LEC)で、同国初の眼科研修プログラムが展開されている。実はLEC自体も、視力ファースト交付金を通じて2016年に建設されたものだ。このプログラムを通じてこれまでに6人が研修を受けて眼科治療に従事するようになり、来年には更に3人が研修を開始する予定である。LCIFとライオンズが視力ファースト・プログラムで支援した人々の事例を紹介する。

■64歳の学校教師、ベンジャミン・バングルさんは、目がよく見えないために人や物を識別したり、教室の黒板にはっきりと文字を書いたりすることが出来なくなっていた。つづりの間違いや字の書きづらさにいつも悩まされ、自分は無能だと感じてしまい、これ以上生徒たちに教えることは出来ないとさえ考え始めていた。そこでLECで検査を受けてみると、バングルさんの右目の水晶体全体が白くにごり、白内障にかかっていることが判明した。白内障の手術を受けると、バングルさんの人生は一変した。「見えます。ドアに書いてあるのは『出口』ですね」と医師に告げ、抑えきれない興奮と喜びをあらわに、思わず叫んだ。「先生の顔が見えます。全てがとても明るい。まるで別の世界にやってきたみたいだ!」。その後教壇に戻ったバングルさんは、自分の愛する職業に改めて自信を持って取り組めるようになった。

■14歳の少女マロンさんは学校生活の中で、ある問題を抱えていた。黒板の文字を読むためには、いつも教室の一番前の席に移動しなければならないのだ。
「でも一番前に座っても、全ての文字が見えるわけではないんです。だからいつも友達にノートを貸してもらわなければなりませんでした」とマロンさんは話す。そんな時、マロンさんの母親がLECの新しい眼科医療の話を聞き、彼女を診察に連れていった。 医師はすぐに、マロンさんに必要なのは眼鏡だけだと診断した。眼鏡を掛けた途端、マロンさんは笑顔になった。「遠くまで見えます。とてもうれしい。これでもう友達のノートをわざわざ借りたり、教室の一番前に座ったりする必要はありません」

■もう一人の少女、ムスさんの場合は、右目の水晶体の位置が著しくずれていることをLECの医師が発見するまで、長い間視力障害に悩まされていた。医師は手術を行い、更に眼鏡を提供した。手術後新しい眼鏡を掛けると、ムスさんの視力は70%まで回復した。大喜びのムスさんは、学校で勉強し将来は看護師になるのだと、医師に夢を語った。

2021.10更新(文/ジェイミー・ウェーバー)