投稿リポート ミルク缶270個分など
コロナ禍での支援活動

ミルク缶270個分などコロナ禍での支援活動

沖縄県では新型コロナ感染症拡大による緊急事態宣言が4月から9月まで発令されていた。県内ではさまざまな活動が自粛。沖縄ライオンズクラブ(藤原一美会長/79人)も例会や活動の中止を余儀なくされてきた。しかし、青少年育成の一環で取り組んできた、貧困家庭や子ども食堂などへの食料品提供はコロナ禍でも重要な事業であるため、感染対策を行って継続している。

7月9日には、貧困家庭へ食料支援をしているボランティア団体に食料品600食を寄贈。同日に看護学生への支援として100食を贈呈した。この贈呈の際、該当するボランティア団体の代表が急きょ来られなくなってしまったため、任意団体「共育ステーションつむぎ」の髙良久美子代表が代わりに受け取ることとなった。そして贈呈後に髙良さんから「つむぎ」について話を聞いたのが次の事業へとつながったのである。

髙良さんはある時、ひとり親世帯ではベビーミルクが買えず薄めて飲ませたり、今日明日あげるミルクがなかったりという話を聞いた。そしてその矢先、「双子のベビー、ミルクが買えなくて1人が衰弱死」という悲惨な事件が他県で起きたのだ。髙良さんは同じような事件を沖縄県で起こしてはならないという思いから毎月2缶ずつを自費で社会福祉協議会に寄贈していた。しかし新型コロナウイルスの蔓延により、多くの家庭が困窮。髙良さんは知人らと協力して支援の輪を広げていき、20年10月に団体を立ち上げるに至ったという。それから支援を続け、21年7月には過去最多となるミルク缶88個を支援した。

こうした経緯を聞いた当クラブの藤原会長が、少しでも協力出来ないかと理事会に提案。すぐに支援を決定した。ミルク缶を購入して寄贈する案も出たが、アレルギー体質の乳幼児がいる場合なども考慮して支援金の方が使いやすいだろうと考えた。こうして9月3日、那覇市社会福祉協議会において「共育ステーションつむぎ」へ支援金539,000円(ミルク缶約270個分)を贈呈した。

髙良代表は「ただミルク缶を渡して支援が終わるわけじゃない。その先が大切だ」と話す。当クラブとしてもこの支援を通じて貧困家庭の状態が少しでも良くなることを願っている。また子どもは宝物であるとの思いからクラブ内だけに留めず沖縄県のライオンズクラブにも呼びかけながら、継続事業として行っていくことを決定した。

2021.10更新(幹事/上原のぞみ)