国際財団
パラリンピックの
夢に向かって
アメリカ・インディアナ州
鼓動が耳の中に響く。汗が額から流れ落ちる。ヒューッと音を鳴らしながらボールが飛んでくる。体は瞬時にボール内部で鳴る鈴の音に反応し、ボールがゴール・ラインを超えるのをブロックする。ワーッと歓声が上がる。
ゴールボールはこれまでにあった競技をアレンジしたものではなく、視覚障害者のために考案された初めてのパラリンピック競技だ。1チーム3人のプレーヤーが、バレーボールと同じ広さのコートで互いにゴールを狙う。バスケットボール大のボールの内部には鈴が入っていて、音で位置が分かるようになっている。選手は全員「アイシェード」と呼ばれる目隠しを装着して完全に視界を遮るため、平等な条件下でゲームが繰り広げられる。
LCIFとアンセム基金は2015年にパートナーシップを締結。交付金を通じて、ライオンズクラブとアンセムが全米各地で展開する健康改善を促すボランティア活動を支援している。これまでの活動は延べ2万時間に上り、160万人以上の人々に良い影響をもたらしてきた。その一環として、インディアナ州にある米国盲人アスリート協会(USABA)のゴールボール合宿訓練所の拡張が進められている。これにより宿泊施設が増え、より多くの選手が長期合宿に参加出来るようになる。また宿泊者のプライバシー確保が向上し、共用スペースも拡張される。更に、新しい屋内運動器具を購入し、選手たちは宿舎でもトレーニングが出来るようになる。
ライオンズは「失明と闘う騎士」として、長きにわたり視覚障害者を支援してきた。LCIFは、誰もが分け隔てなく社会に参加出来る機会を作り出すライオンズの活動を支援している。
アンセム・インディアナ・メディケイドのキンバリー・ループ会長は言う。
「私たちはLCIFとのパートナーシップに深く感謝しています。そして共通の使命を分かち合い、力を合わせて地域社会の健康と福祉の向上に取り組んできたことを誇りに思っています。USABAの合宿施設が今後も長きにわたって多くのアスリートやオリンピック選手に役立てられるのを楽しみにしています」
2021.09更新(文/ジェイミー・ウェーバー)