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がメダル獲得

パラ・ライオンズ支援選手がメダル獲得

東京パラリンピック4日目を迎えた8月27日と翌28日、日本代表入りした60人の日本ライオンズ支援選手の中から、待望のメダリストが誕生した。

27日、柔道男子66kg級(視覚障害)の瀬戸勇次郎(競技団体推薦)が銅メダルを獲得した。準々決勝で敗れたものの敗者復活戦で勝ち上がり、3位決定戦でジョージアの選手と対戦。序盤でリードを許したものの内股すかしを決め一本勝ちした。19歳の瀬戸選手は2018年の全日本でパラリンピック3連覇の選手を破って初優勝し、次世代の新星として活躍を期待されていた。28日はトライアスロン男子(運動機能障害PTS4)に出場した宇田秀生選手(競技団体推薦)が銀メダルを獲得。宇田選手は最初のスイムで9位と出遅れたものの次のバイクで一気に上位に浮上、最後のランでは粘り強い走りを見せ、この競技で日本選手初のメダリストとなった。

クラブ推薦で支援を受けた選手では、28日にテニス女子シングルス1回戦に臨んだ高室冴綺選手(330-C地区推薦)は南アフリカの選手と対戦して敗退。ダブルスも初戦で敗れた。

柔道73kg級(視覚障害)の永井崇匡選手(群馬県・吾妻ライオンズクラブ推薦)は、29日の1回戦でアルゼンチンの選手と対戦して一本勝ち。しかし準々決勝でロシアパラリンピック委員会の選手に、続く敗者復活戦でリトアニアの選手に破れ、メダル獲得はならなかった。視覚障害柔道は全盲から弱視まで見え方の異なる選手が試合をするため、全盲の永井選手は対戦相手によっては不利な戦いとなる。そんな中、永井選手は1回戦では得意技の巴投げを決めて一本勝ちした。


柔道男子日本代表・永井崇匡選手(『ライオン誌』2019年11・12月号特集「パラアスリート支援」より)

山口凌河選手(茨城県・取手ライオンズクラブ推薦)らライオンズ支援選手5人が出場するゴールボール男子は、初戦から2連勝で準々決勝進出を決めた。続く1次リーグ3試合目は、前回金メダルのリトアニアに挑み10-2で大勝。29日の予選リーグ最終戦で世界ランキング1位のブラジルに敗れ、今大会初の敗北を喫した。男子準々決勝は31日に行われる。

日本が初出場した5人制サッカー(ブラインドサッカー)には園部優月選手(東京新宿ライオンズクラブ推薦)が代表入りしている。29日の1次リーグA組初戦では、日本は強豪フランスに4-0で大勝する快挙を遂げた。30日の第2戦は、4大会連続優勝の王者ブラジルに破れて1勝1敗となった。今大会には8チームが出場し、4チームずつで予選を戦っている。日本は31日の予選最終戦でアジア王者の中国と対戦する。

赤石竜我選手(埼玉県・与野新都心ライオンズクラブ推薦)らライオンズ支援選手3人が出場する車いすバスケットボールは、1次リーグA組で初戦のコロンビア、2戦目の韓国、3戦目のカナダに3連勝と絶好調で準々決勝進出を決めた。29日の予選4戦目は前回大会銀メダルのスペインと全勝同士の対決で初黒星となった。30日午後の予選最終戦はトルコと対戦。67-55で勝利し、通算成績4勝1敗で予選リーグを終えた。

30日午前、陸上男子やり投げ(上肢障害F46)に出場した白砂匠庸選手(広島県・北広島大朝ライオンズクラブ推薦)は6位に終わった。5月のテスト大会では今シーズン世界ランキング1位の記録をマークしていたが、メダルには手が届かなかった。白砂選手は北広島町大朝を拠点に世界の舞台を目指して活動。北広島大朝ライオンズクラブによれば、地域の小中学校で困難に負けず夢に挑戦し続けることの大切さを教える活動を行う他、子ども陸上教室なども開催している。陸上女子100m(視覚障害T11)に出場した高田千明選手(東京高輪ライオンズクラブ推薦)は予選9位で準決勝進出はならなかった。

元ライオンズ・メンバーの伊藤智也選手は、29日の陸上男子400m(車いすT53)の予選で敗退した。伊藤選手は金メダルを獲得した佐藤友祈選手と同じT52クラスでメダル獲得を目指していたが、直前のクラス分けで障害がより軽いクラスに変更となった。思いがけぬ試練の中で、自己ベストを更新する走りを見せた。

2021.08更新(取材/河村智子)

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