トピックス パラリンピックで躍動する
日本ライオンズ支援選手

パラリンピックで躍動する日本ライオンズ支援選手

8月24日に開幕した東京パラリンピック。日本代表に選ばれた18競技60人の日本ライオンズ支援選手の中から、特にライオンズクラブの推薦で支援を受けた選手に注目し、随時その活躍を伝えていきたい。

ゴールボール男子は代表選手6人のうち、山口凌河選手(茨城県・取手ライオンズクラブ推薦)、金子和也選手、宮食行次選手、田口侑治選手、佐野優人選手の5人がライオンズ支援選手。予選グループAの日本は、25日のアルジェリア戦に13-4で、27日はリオデジャネイロ大会で銀メダルのアメリカに11-1で勝利し、グループ首位と大健闘している。ゴールボールは出場10カ国が2組に分かれて予選リーグを行い、それぞれ上位4カ国が準々決勝に進む。日本は28日にリオ大会金のリトアニア、29日に世界ランク1位のブラジルと予選を戦う。

山口選手は『ライオン誌』2019年11・12月号特集「パラアスリート支援」で、東京パラリンピックに出場して金メダルを取ることを目標に挙げ、次のように語っていた。
「1年前は夢でしかなかったが、この1年で相手チームを研究し、どうやったら勝てるか試行錯誤を繰り返し、来年にはいい結果が出せるのではないか、と手応えを感じられるようになった」

ゴールボール男子日本代表・山口凌河選手(19年11・12月号特集「パラアスリート支援」より)

車いすバスケットボール男子には、赤石竜我選手(埼玉県・与野新都心ライオンズクラブ推薦)と髙柗義伸選手、古澤拓也選手の3人のライオンズ支援選手が出場。予選1次リーグA組の日本は、26日の初戦でコロンビアに63-56で勝利。27日に韓国、28日にカナダ、29日にスペイン、30日にトルコと予選を戦う。車いすバスケットボール男子は12カ国が出場し、2組に分かれて予選リーグが行われ、それぞれ上位4チームが決勝トーナメントに進む。

赤石選手はチーム最年少の20歳。前述の特集「パラアスリート支援」でパラリンピックへの強い意欲を語っていた。
「まずは東京パラリンピックに出場する日本代表チーム12人の中に残ることが目の前の目標。ただ、選ばれただけでは意味がなく、選ばれたからには結果を出す義務があると思うので、日本代表チームが目標としている初のメダル獲得に貢献したと言われるような活躍をしたい」

車いすバスケットボール男子日本代表・赤石竜我選手(19年11・12月号特集「パラアスリート支援」より)

自転車の川本翔大選手(広島県・三次ライオンズクラブ推薦)は、26日に出場した男子3000m個人追い抜き(運動機能障害C2)で4位、27日の男子100mタイムトライアル(運動機能障害C1~3)で6位に入った。川本選手は個人ロードタイムトライアル(運動機能障害C2)、個人ロードレース(運動機能障害C1〜3)にも出場する。

陸上の高田千明選手(東京高輪ライオンズクラブ推薦)は、27日の女子走り幅跳び(視覚障害T11)で日本新記録をマークし5位に入った。高田選手は女子100m(視覚障害T11)にも出場する。

26日の馬術・個人規定(障害2)に出場した吉越奏詞選手(東京目黒ライオンズクラブ推薦)は10位。また、27日のボート競技予選には、女子シングルスカル(運動機能障害PR1)に市川友美選手(愛知県・西尾東ライオンズクラブ推薦)、混合かじ付きフォア(運動機能障害・視覚障害PR3)に八尾陽夏選手(330-C地区推薦)が出場し、いずれも敗者復活戦に回った。

28日の柔道男子73kg級(視覚障害)には永井崇匡選手(群馬県・吾妻ライオンズクラブ推薦)、車いすテニス女子シングルス1回戦には高室冴綺選手(330-C地区推薦)、30日の陸上男子やり投げ(上肢障害F46)には白砂匠庸選手(広島県・北広島大朝ライオンズクラブ推薦)が出場する。

今大会には支援選手の他にも注目したい選手がいる。元ライオンズ・メンバーの伊藤智也選手(陸上)だ。伊藤選手は三重県・鈴鹿ライオンズクラブに入会して3年目の1998年8月、35歳で中枢神経系の難病、多発性硬化症の宣告を受け、両脚の運動機能を失った。その翌年から車いす陸上の練習を始め、2000年に大きなマラソン大会に初挑戦した伊藤選手を、鈴鹿ライオンズクラブのメンバーが支援。その様子は『ライオン誌』2001年2月号の取材記事が伝えている。伊藤選手はその後、日本代表としてパラリンピック2004年アテネ大会に出場して5000mとマラソンで4位に入り、08年北京大会では男子400、800m(車いすT52)で2冠を達成した。12年ロンドン大会では銀メダル3個を獲得した後、一度は競技を引退したが、東京大会に向けて現役に復帰し、58歳で再びパラリンピックに戻ってきた。伊藤選手は29日の男子400m(車いすT53)に出場する。

パラリンピックにはゴールボールなど独自の競技がある他、おなじみの競技であっても障害の種類や度合いによって細かなクラス分けがある。競技の内容やルール、見どころなど予め情報を得て観戦すれば、より競技を楽しめるはず。各競技のルールやクラス分けは、日本パラリンピック委員会ウェブサイトや、日本財団パラリンピックサポートセンターのパラサポWEBで分かりやすく解説されている。
■日本パラリンピック委員会
■パラサポWEB

2021.08更新(取材/河村智子)

●関連記事
「ライオンズ支援選手60人がパラリンピック日本代表に」(2021.08更新)
「東京五輪・パラリンピックモニュメント竣工」(2020.02更新)
「ライオンズ支援次世代選手パラリンピック代表内定」(2019.04更新)
「東京五輪担当相に日本ライオンズの支援を報告」(2018.06更新)