投稿リポート
子どもレストラン
おいしさで広がる笑顔の輪
千葉県・東葛飾ライオンズクラブ
#食料支援
#青少年支援
「いただきます!」
晴天に恵まれた5月29日、果樹園の中で、子どもたちの明るい声が響いた。東葛飾ライオンズクラブ(中村亘会長/35人)が主催した「子どもレストラン」の開店である。
昨今、新型コロナウィルス感染症が猛威を振るい、外食はおろか外出もままならなくなっている。当クラブの活動エリアである東葛地域も、まん延防止等重点措置を講じるべき区域に入った。このような世相を反映してか、地域の雰囲気も何となく暗く感じている。
ライオンズクラブの活動の基本は奉仕である。このような状況を打破し、地域の人々、特に子どもたちに笑顔を取り戻してもらう方法はないものかと思案に暮れていた。
そんな中、子どもたちの居場所づくりの一環として、子ども食堂に注目が集まっていることに目を付けた。そして、ただ食事を提供するだけではなく、何か特色を出せないかと考えた。幸い東葛飾ライオンズクラブには、地区を代表する名店のシェフが名を連ねている。舞台の設営に手慣れた人も多い。これを生かさない手はない。そこで、当クラブに在籍するシェフたちの腕によりをかけたメニューを、無償で提供することにした。名称も「子ども食堂」ではなく「子どもレストラン」にし、スタッフも通常のレストランのような接客体制を敷いた。子どもたちに「お客様」になってもらい、日常とは違った経験をすることで、少しでも笑顔になってもらおうという狙いだ。また、食べ終わった子どもたちが楽しめるようにとヨーヨー釣り、スーパーボール釣りの屋台も用意した。
子どもたちやその家族に心から楽しんでもらうためには、コロナ対策も万全にしなければならない。そこで、当日の会場を屋外の果樹園に設定した。これで換気の問題がクリア出来る上、子どもたちはピクニックのような気分を味わうことも出来る。まさに一石二鳥だ。加えて来場者・スタッフの検温やマスクの着用、対面にならない座席配置(家族のみ対面可)、一食ごとのテーブルの消毒、食事マットの持ち帰り制などにより、感染症対策を徹底した。
当日は天気にも恵まれ、さまざまな準備のかいもあり、171人に食事を楽しんでいただいた。「なかなか出かけることも出来ない状況下で、こういったイベントを開いてくださって本当にありがたい」というメッセージを頂いた時には、会員一同心温まる思いであった。
コロナ禍ということもあり、いまだに活動には多くの制約を伴う。しかし、それでもライオンズクラブの活動を待っている人、喜んでくれる人がいることを実感した。これからも、感染症対策に最大限の注意を払いながら、奉仕活動に励みたい。子どもたちの笑顔を見てその思いを強くした。
2021.06更新(広報/石田光規)