投稿リポート
子の健やかな成長を願う
倉吉打吹流しびな
鳥取県・倉吉打吹ライオンズクラブ
#青少年支援
倉吉打吹(うつぶき)ライオンズクラブ(33人)は1985年から毎年4月、倉吉市の中心部にある白壁土蔵群を流れる玉川で、地域の子どもたちの健やかな成長を願う「倉吉打吹(うつぶき)流しびな」を続けてきた。これは子どもの分身として絵馬にひな人形を描いて川に流すことで、我が子を災いから守るという伝統行事に加え、一時は生活排水などで汚れてしまった玉川を魚が泳ぐ清流に戻そうという願いを込めて始めたもの。回を重ねるごとに地元に定着し、子どもからお年寄りまで大勢の市民が参加する倉吉の春の目玉行事になっていた。
しかし昨年はコロナ禍により、開始以来初めての中止。今年こそはと開催を目指していたが、コロナの流行は収まらず、またしても中止もやむなしといった状況であった。しかし、「簡素でもいいから何か実施したい。2年続けての中止ではあまりにも寂しい」といった声が上がり、コロナ禍でも出来る形を模索することになった。35回目を数える流しびなの歴史の中でも、「密を避け、感染対策を十分に行った上で、簡素な形」での開催など前例がない。それでも前向きな目標が出来ると、社会福祉委員会を始めクラブ・メンバー皆が協力して、方向性や具体的な準備はどんどん決まっていった。
4月4日(日)、ついに開催にこぎつけた流しびなは、代表児童2人、社会福祉委員長、そしてクラブ会長の私の計4人による小規模なものだったが、児童には地元の特産品である倉吉絣(かすり)の着物を着てもらい、とても可愛いらしい姿になった。事前に市内保育園・幼稚園に配り願い事を書いてもらった約400枚の絵馬は近くの賀茂神社に奉納し、宮司さんからありがたい言葉を頂いた。総じて大成功だったと思う。当日は5~6社のマスコミが取材に来ており、翌日の新聞等を明るい話題で彩った。
来年こそはコロナが収束し、正式に盛大な流しびなが開催出来ることを願うばかりである。
2021.04更新(会長/馬田武男)