投稿リポート 姫路城をライトアップし
コロナ禍での差別解消啓発

姫路城をライトアップしコロナ禍での差別解消啓発

3月26日(金)から28日(日)までの3日間、ユネスコ世界文化遺産で国宝の姫路城がシトラスグリーンに染まった。これは、コロナ禍で生まれた差別や偏見をなくすために始まった「シトラスリボンプロジェクト」をより多くの方々に知ってもらおうと、姫路市のシンボルである姫路城をシトラスグリーンにライトアップしたもの。姫路広陵ライオンズクラブ及びスマート支部が中心的な役割を担い、姫路市教育委員会人権教育課との共催で実施した。

ライトアップ初日の26日には姫路駅前でシトラスリボンプロジェクトの啓発活動とイベントの告知を行い、その後パネルを掲げて告知をしながら姫路城まで移動。日没前から姫路城迎賓館にて、姫路市の清元秀泰市長、松田克彦教育委員会教育長、竹内有希連合PTA協議会会長を迎え、点灯式を行った。

翌27日は姫路駅前にて、スマート支部の事業である子ども食堂の一貫として、子どもたちに無料でピザを配布した。当クラブの宇垣紀夫前会長が、アスパラガスでシトラスリボンを型取って作った特製ピザだ。駅前でのイベント告知の後、日没前からは姫路城迎賓館でコロナ感染経験者、シトラスリボンプロジェクト協力企業代表、ライオンズクラブの小林聰前335複合地区ガバナー協議会議長、当クラブ代表を交えてのパネルディスカッションを行った。後にYouTubeで配信するために、シトラスグリーンにライトアップされた姫路城を動画撮影し、この日の活動は終了した。

2020年から世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。当たり前だと思っていた暮らし、経済、文化など、日常生活の全てを根底から揺さぶっている。更にコロナ禍は人々の心の中にも入り込み、差別や誹謗(ひぼう)中傷を生んでいる。これを憂えて始まったのがシトラスリボンプロジェクトの活動だ。ワクチン接種が始まったが、ほんとうに平穏な社会を取り戻すには、人々の間違った認識を正すことが必要である。そのために我々ライオンズクラブは、啓発活動を行うことが使命だと考えるのだ。

姫路広陵ライオンズクラブとスマート支部は、この事業のために何度も合同で委員会を開き、どうすればより効果的に展開出来るか議論を重ね、具体案をまとめた。事業資金はクラウドファンディングと、賛同してくれた多くの企業や個人の皆様の並々ならぬ支援で集められた。協力くださった全ての方に心から感謝している。事業の余剰金は全額「ひょうご新型コロナウイルス対策支援基金」に寄付した。

コロナ感染は誰にでも起こりうることだ。病気と戦った人を、「ただいま」「おかえり」と温かく迎えることが出来る優しい社会をつくるために、今後も活動を続けていきたい。最後に、一日も早くコロナ禍が全て収まり普通の生活が戻ることを、またあらゆる差別、誹謗中傷がなくなることを、心から祈っている。
 
2021.04更新(会長/福本尚史)