投稿リポート 福岡の大通りに
花で癒やしを

福岡の大通りに花で癒やしを

福岡市では市を訪れる人と市民に花で癒やしを感じてもらおうと、数年前から「一人一花運動」を実施している。これは市民・企業・行政一人ひとりが、公園や歩道、会社、自宅など、福岡市のありとあらゆる場所での花づくりを通じて人とのつながりや豊かな心を育み、まちの魅力や価値を高める、花によるまちづくりを目指す取り組みだ。

私たち福岡天神リバティ ライオンズクラブ(楠正信会長/25人)は20年前から、市内天神地区の目抜き通りにある花壇に花を植え続けてきた。この事業の始まりは、当時のクラブ会長で福岡市議会議長でもあった妹尾俊見さんが、市から歩道の花壇を借り上げ、花を絶やさないようにしようとクラブに提案したことだ。当初は花壇の土をかさ上げしたり肥料をまいたりと土壌の改良から始め、樹木を植え、庭石を置き、花を植えた。しかし、なにしろクラブ会員全員が素人である。すぐに枯らしてしまうなど癒やしどころではない状態だった。

いろいろと模索する中で、この道路は車の交通量が多く、排出ガスで傷んだり枯れたりして植物が育ちにくい環境であることを近所の人から教えてもらった。特に交差点付近は歩行者用信号が赤になった時の車の排出ガスが多く、花の生育に適さない環境になっていた。こうしたことを知ってからは、一年草の草花を年に何回か植え替え、追肥を行うことで花を絶やさないよう努めてきた。

しかし昨今ではその作業も会員の高齢化などから次第に厳しくなってきた。そんな折、会員の一人で不動産会社を経営する片山隆之さんから、「私の会社と共同で花壇をきれいにしていきましょう」という申し入れがあった。それからは造園業者にも依頼するなどして整備したところ、見違えるようにきれいな花壇になった。通行者からも「きれいですね」と声を掛けてもらう機会が増え、会員の喜びになっている。2013年と19年には「花と緑に関する市長表彰」を受賞することも出来た。現在は、市の一人一花運動に参加する形で事業を続けている。

新型コロナウイルス感染症の流行が収束し、福岡にいらっしゃることがあれば、ぜひ花いっぱいの福岡を楽しんでいただきたい。
 
2021.04更新(深澤正昭)