投稿リポート 中学生ら市民と協力し
中古眼鏡を途上国へ

中学生ら市民と協力し中古眼鏡を途上国へ

遠視や近視は、眼鏡によって矯正することが出来る。しかし、途上国には生活に余裕がなく、眼鏡すら手にすることが出来ない「視力難民」があまたと存在する。西脇ライオンズクラブ(平田滋会長/35人)は、この現実を改善する助けになればと、中古眼鏡リサイクル・プログラムに取り組むことにした。これはライオンズクラブ国際協会が世界規模で実施している、中古眼鏡を収集・リサイクルし、眼鏡を必要としている低所得国の人たちに提供する事業である。

期間は2020年11月から21年3月までとし、市施設、病院、学校等に眼鏡回収箱の設置をお願いした。どこも驚くほど協力的で、中でも西脇南中学校では、生徒会が活動の意義や回収方法などを検討した上で生徒に協力を呼びかけるなど、非常に熱心に取り組んでくれた。3月11日には、西脇南中学校で集められた眼鏡の引き渡しがあり、生徒代表から85本を受け取った。この時点で協力先からの回収がほぼ終わり、約650本が集まっている。

2007年以降、当クラブでは何度か中古眼鏡の収集に取り組んできた。これまでは途上国を訪問する他クラブのメンバーに託すなど、その都度方法を探って届けてきた。今回も、回収後どのようにして途上国に届けるのかが課題となった。そんな時、ライオンズクラブの335複合地区(近畿地方)と神戸市の甲南大学の学生が協力して、途上国への支援ルート開拓も含めた眼鏡リサイクル・プログラムに挑んでいるという情報を得て、「これだ! ライオンズの枠にとどまらず学生たちにも輪を広げたこのプログラムへつなぎたい」と考えた。

しかし、この共同作業は昨年の夏に本格化したばかりなのに加え、新型コロナウイルス感染症が立ちはだかり、今はオンライン会議や少人数での会合を重ねながら目標達成へと向かっているとのこと。残念ながら当クラブの期待は時期尚早であった。そこで、今回当クラブが集めた眼鏡については、ライオンズクラブの332-C地区(宮城県)が運営する、既に海外とのルートが確立された中古眼鏡リサイクル・センターへリレーする方向となった。

今回は間に合わなかったが、335複合地区や335-D地区(兵庫県西部)の役員、学生、それを支える先生たちは皆、熱い思いで眼鏡リサイクル・プログラムに取り組んでいると聞く。両者の連携は、眼鏡を必要とする人たちに笑顔の花を咲かせることを目指して、一歩一歩前へ進んでいる。この共同作業が機能する日は近いと見る。西脇ライオンズクラブも、近い将来これに参加出来る日が来ることを心待ちにしている。
 
2021.03更新(奉仕委員会委員長/村岡栄紀)