投稿リポート 京都市動物園に
音を体で感じる機器を寄贈

京都市動物園に音を体で感じる機器を寄贈

335-C地区(京都府、滋賀県、奈良県)の2リジョン2ゾーンに所属する五つのライオンズクラブ(京都東、京都洛中、京都岡崎白川、京都うずら野、京都日吉ヶ丘)は毎年、ゾーン合同親善チャリティーゴルフ大会を開催している。今年度はここで得たチャリティー基金で、富士通社製の音を体で感じる機器「Ontenna(オンテナ)」15セット(約50万円)を京都市動物園に寄贈した。2020年11月11日、京都市役所にて、ゾーン・チェアパーソンである私から門川大作京都市長に目録を贈呈。門川市長からは、各クラブ会長に感謝状を頂いた。

オンテナの色は白、親指くらいの大きさでクリップも付いていて、服などに留めることも出来る。60~90ヘルツ(普通の会話~工事現場程度)の音の特徴を256段階の光と振動に変換し、聴覚障害のある人にも音を体感してもらえる機器だ。若いゾウが「パオーン」と鳴くと、ほぼ同時に光りながら力強くブルブルと振動、2羽のタンチョウヅルが「クルルッ、クルルッ」と同時に鳴くと、今度は小刻みに光って震える。

12月5日に開催された京都市動物園のオンライン・イベントには、事前に郵送でオンテナの貸し出しを受けた聴覚障害者ら13組が参加。私自身も動物園でオンテナを装着し体験した。ライオンの雄と雌が鳴き交わす声やシロテテナガザルの鳴き声など、園が準備したさまざまな音声をオンテナを通じて感じ取ることが出来た。オンテナを使用した参加者からは、次のような感想が寄せられた。

「ライオンの声は低いけどビリビリ振動していました。オランウータンの鳴き声は手をたたいているくらいの振動でした。ゾウはライオンと似ているけど、ゾウの方が高い声(振動)でした。フラミンゴはアルトぐらいの響きを感じました。とても可愛らしくて親しみが湧きました」

「補聴器では拾いきれない園内のセミの声までが体全体に響いて、感動した。ゴリラの笑い声も振動で伝わり、自分も楽しくなった」

オンテナの寄贈とオンライン・イベントについては、京都新聞、朝日新聞にも大きく取り上げられた。

京都市動物園では1月から来園者へのオンテナの貸し出しを開始した。聴覚障害の有無にかかわらず誰でも借りられるので、多くの人に使って頂き、楽しんでもらえることを願っている。

2021.02更新(ゾーン・チェアパーソン/河本泰史)