投稿リポート 糖尿病の危険性を伝える
啓発活動

糖尿病の危険性を伝える啓発活動

ライオンズクラブ国際協会には、世界中のライオンズが一丸となって取り組む五つのグローバル重点分野がある。糖尿病、視力保護、食料支援、環境保全、小児がんがそれで、茨木ローズ ライオンズクラブ(48人)は、そのトップに掲げられた糖尿病の啓発活動に力を入れて取り組んでいる。

昨年は市民健康講座を開催。第1部のテーマは「健康長寿と寝たきり予防を考える」、第2部は「糖尿病は今や世界の国民病―“死の四重奏”への道」とした。公民館が主催する定期講演会として、茨木市と茨木ローズ ライオンズクラブが後援という形ではあったが、実質的には当クラブが計画・実施しており、第2部の講演者もクラブ・メンバーだった。

糖尿病の三大合併症である糖尿病網膜症(失明)、糖尿病腎症(人工透析)、糖尿病神経障害(皮膚の潰瘍や壊疸<えそ>)を防ぐために、そして死の四重奏と呼ばれる糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満の併発による冠動脈疾患を引き起こさないために、啓発活動の意義は大変大きい。特に高齢者にとっては、より身近で関心の高い事柄だと思う。

今年は認知症と糖尿病の関連についての講演会を予定していたが、残念ながら新型コロナウイルス感染症の影響で中止せざるを得なかった。しかしこの病気で重症化リスクが高いとされているのは持病や基礎疾患のある人で、中でも最も注意が必要な病の一つが糖尿病であるとは、何という因縁だろう。

講演会は中止になったが、当クラブでは11月14日の「世界糖尿病デー」をPRするのぼり30本を作製し、診療所や薬局、公共施設、メンバーの会社及び事務所に掲揚した。のぼりの設置作業をしていると、「今年の講演会はいつ、どこで開催されるの?」「事前申し込みが必要ですか?」といった声を頂いた。中には11月14日が世界糖尿病デーであることを知らない医療関係者もいて、驚かされることもあった。

世界保健機関(WHO)は国際デーとして世界エイズデー(1988年)に次いで2番目に世界糖尿病デー(91年)を制定したが、一般にはまだまだ浸透不足だと感じる。糖尿病の恐ろしさは、長い期間自覚症状もないまま合併症が進行し、気付いた時には手遅れで治せないという例も少なくないことだ。沈黙の病と呼ばれるゆえんである。茨木ローズ ライオンズクラブではこれからもさまざまな手段を講じて、息の長い啓発活動を続けていきたいと考えている。

2020.12更新(会長/八崎輝義)