投稿リポート 障害者施設へ
ハロウィーンの菓子を贈呈

障害者施設へハロウィーンの菓子を贈呈

我が国のみならず、人類は地球規模で未曽有の閉塞感に襲われ、ライオンズクラブの根幹を成す奉仕活動もさまざまな制限を甘受せざるを得なくなっている。ライオンズ・メンバー一人ひとりはいつも変わらずにあふれんばかりの奉仕の精神を持ち続けていても、目に見える形での活動は少なからず新型コロナウイルス感染症の影響を受け、忸怩(じくじ)たる思いで過ぎゆく日々を紡いでいることだろう。しかし、ふと窓の外に目を向ければ、蝉時雨(せみしぐれ)の盛夏ははるか遠くに過ぎ、落葉の季節が訪れ、晩秋の夕暮れがひそかに人の心を穏やかに潤わせる。一瞬の絶え間もなく四季は巡りゆき、その自然のたくましさを人は生き生きと感じることが出来る。私たちも歩みを止めるわけにはいかない。

10月29日、厚木ライオンズクラブ(角田英樹会長/37人)は厚木市内の障害者作業施設「NPO法人厚木ひまわりの会 三田つばさ作業所」を訪問。ハロウィーン・イベントの一環として仮装をし、段ボール7箱分の菓子を施設利用者の皆さんに贈呈した。

今回は菓子を寄付したが、当初は全く別の形の奉仕活動を企画していた。夏祭りの時期に、厚木市内の障害者施設で組織される厚木市障害者福祉事業所連絡会がやきそば大会を主催する。当クラブもこれを手伝う予定で、催しに向けて数々の取り組みを行っていた。しかし残念ながら、感染症拡大防止の観点からイベント自体が中止となってしまった。そうした中で、小規模であっても施設の皆さんの笑顔のために何か奉仕活動が出来ないものかと企画を再考し、ハロウィーンの交流イベント開催につながったのである。

時勢を勘案し少人数かつ短時間ではあったが、私たちが訪問した際には施設の皆さんが丁重に迎えてくれ、心温まるひと時を過ごすことが出来た。施設内の大きな作業用テーブルの上にうれしそうにプレゼントの菓子を広げ、輝く瞳に笑みを絶やさず、私たちに感謝の言葉を掛けてくれた。その一人ひとりの気持ちは、当クラブの奉仕の精神の灯に更なる輪を重ねてくれた。

暗い世の中だからこそ、このような時だからこそ、人と人との触れ合いは大変貴重である。掛け替えのない時間を共有し、互いを思いやる心に包まれる時、それは静かに明るい未来への光を放ち始めることだろう。
 
2020.12更新(社会福祉・環境保全委員長/平井貴章)