投稿リポート 沖縄のシンボル
首里城復元に向けて

沖縄のシンボル首里城復元に向けて

昨年10月31日未明に首里城で発生した火災は、沖縄県民に強い衝撃を与えた。正殿など主要7棟を焼失した首里城。シンボルを失った沖縄県民は言い知れぬ喪失感に襲われたが、県内外から首里城再建に向けて多大な寄付が寄せられ、2026年の復元を目指し22年中に着工することが決定した。

首里キャッスル ライオンズクラブ(33人)へも、姉妹クラブである熊本火の国ライオンズクラブ、友好クラブの山口県・岩国ライオンズクラブ、336-D地区(島根県、山口県)、また兵庫県・宝塚ライオンズクラブから寄付の申し出があり、当クラブからの寄付と併せて105万円を那覇市へ贈呈した。

そしてこの度当クラブ・メンバーは、焼け落ちた瓦をきれいにして再利用する「首里城赤瓦漆喰(しっくい)はがしボランティア」に参加した。首里城内の建物(北殿、南殿等)で使われていた赤瓦の中で、形状を保っている瓦に付着している漆喰をはがす作業だ。崩れ落ちた正殿の裏で行うため、世界遺産に指定されている正殿基壇の遺構や、展示されている焼け落ちた龍頭などを見ることが出来る。

作業をするに当たっては、防塵(ぼうじん)用のゴーグル、マスク、手袋等が用意され、新型コロナウイルス感染防止にも十分に配慮されている。スクレーパー(こびりついたものを落とすヘラのような工具)やワイヤーブラシなどを使って、手作業で一枚一枚漆喰をはがし丁寧に磨き上げていく。無心になって作業をしているとあっという間に時間が経ってしまうが、2時間で平均5枚程度しか仕上げることが出来ない。作業を終えた瓦は、無傷のものは復元される首里城の瓦として再生され、傷やヒビの入った瓦は公園の花壇等の整備に使われることになる。

沖縄のシンボルである首里城を失ってしまったことは残念でならない。が、心を込めて丁寧に磨いた瓦がいつの日か再び首里城の屋根を彩る日を楽しみに、かの城の名を冠するクラブとして復元に向けて支援を続けていきたい。
 
2020.12更新(会長/銘苅徳人)