投稿リポート 地域の感染状況に合わせた
支援活動と予防啓発

地域の感染状況に合わせた支援活動と予防啓発

今年3月、美濃加茂市の隣接市で新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)のクラスターが発生。第2波では市内で複数のクラスターが発生した。県内でも当地域は発生が多く、美濃加茂ライオンズクラブ(110人)も活動に難渋している。そうした中でどのように対策を行い、活動したかを報告する。

第1波ではまだコロナがどのようなものか分かっておらず、例会は3月から中止にした。しかしながら奉仕活動は止めず、コロナ禍で仕事が不足してきた障がい者就労支援継続事業所に、3月から布マスクの製作を発注し、病院や高齢者デイサービスセンター、教育委員会、外国籍児童通級教室などに寄贈した。これに対しては多くの方々から続々とお礼の文書が当クラブ事務局に寄せられた。

6月には可児ライオンズクラブ(赤羽章会長/104人)と合同で、不足する医療従事者用防護服2300枚の製作を同事業所に依頼し、岐阜県に寄贈。地域のコロナ対応病院に配布してもらった。結果、防護服が補充されたことで、コロナ患者が入院出来る病床が増えることになった。クラブ例会が停止しても、速やかにニーズに対応してきた効果だと思う。

7月。新年度になり、私は2020年度クラブ会長に就任。クラブ・スローガンは「We Serve 感染症を乗り越え 復興させる行動」とした。例会は再開したが、第2波が予測される状況だった。私自身が感染対策医ということもあり、地域の感染状況により3段階に活動の在り方を分けて、指針を策定した。これにより第2波襲来の際にも、速やかにオンライン例会に切り替えることが可能となった。

当地域での第2波の始まりは、外国人が中心の二つのクラスターだった。美濃加茂市の人口は10%が外国人で、特にブラジル人、フィリピン人が多く暮らしている。国民性もあり当初はマスクをしていない人や、集まって活動をしていた人もおり、日本の感染対策情報が伝わっていないことが散見された。そこでコロナの感染防止を啓発する手段として、三密を防ぐこと、マスク、手洗い、社会的距離を取ることの重要性を記載したポスターを、ポルトガル語、英語、日本語で計750枚作製した。市と共同でこれを持参して教会やスーパーなどを回り、感染予防策の徹底を説明して協力を得た。以後、マスクをつけていない人は減り、外国人のコロナ陽性患者発生も減少した。

第2波が落ち着き、これからインフルエンザが出始める秋に向け、ライオンズクラブ国際協会の国際平和ポスター・コンテストを参考に、啓発活動として小中学生を対象にした「新型コロナを広げない・うつさないための対策ポスター」を募集した。マスク、手洗い、社会的距離を取ることがポスターのテーマだ。青少年がポスターを描くことを通じて、感染予防対策について家族と話し合うきっかけになれば幸いである。コンテストには361点の作品が集まった。LCIFの地区およびクラブシェアリング交付金も活用し、応募作品の中から入賞27作品をポスターとポストカードにして、更なる啓発活動を進めた。これらをウェブサイトに掲載したり公共施設に展示したりしたのだ。皆がコロナの感染予防策を考えるようになれば、互いを守る大切な役目を果たすことが出来ると考える。加えて各小中学校に手指消毒剤を配布し、感染対策強化を呼び掛けた。

新型コロナは未知のウイルスによる感染症で、全世界的にパンデミックを引き起こしている。この困難に際し、自分が罹患(りかん)しないように予防し、かつ社会的に行動制限がなされる中でどのような奉仕が出来るかを考えて、小さくとも出来ることから行動していきたい。

2020.11更新(会長/山田実貴人)