投稿リポート
夢と希望を詰め込んだ
タイムカプセル
富山県・入善ライオンズクラブ
#青少年支援
入善ライオンズクラブ(62人)は1984年、クラブ結成15周年記念事業として、入善町中央公園の敷地内に「立志の塔」を建立した。立志とは、人生の志を立て、これを成し遂げようと決心すること。孔子の論語には「吾十有五にして学に志し」とある。かつてはこのくらいの年齢で現代の成人式の起源とされる元服の儀式が行われた。当クラブではこれにちなみ、入善町内に二つある中学校の3年生(14~15歳)一人ひとりに将来の夢や希望を手紙に書いてもらい、それを「立志箋」と名付けてこの塔の中に格納する儀式を毎年行っている。つまりこの「立志の塔」は中学生の夢や希望を詰め込んでおくタイムカプセルなのである。中学3年生にとってこの立志箋を書くということは、自分自身の将来や進路を見つめ考える一つのきっかけになり、大人としての自覚を促す良い機会となっているようだ。
立志の塔が建立された翌年から始まった格納式も、今回で36回目を迎えた。例年4月に行われていた格納式は、今年はコロナ禍の影響で学校が休校を余儀なくされたため、6月の開催となった。世界史に残るであろう重大な状況下ではあったが、生徒代表の「こういう時だからこそ、人の役に立つ仕事に就きたいと思う」との誓いの言葉に、参加者全員が勇気付けられたすばらしい式になった。
格納庫の扉の鍵は当クラブが管理している。事業を始めてからはずっと、格納式以外で扉を開けることはなかった。初めての開封となったのは、90年に中学を卒業した若者たちが(残念ながら彼らの卒業校は少子化により廃校になってしまったが)、2005年に30歳になるのを機に開催するクラス会の企画として立志箋を開封しようという話が持ち上がったのがきっかけだった。今では成人式のアトラクションとして毎年開封、盛大に披露され式を盛り上げている。
2020.10更新(2019-20年度会長/米山義隆)