投稿リポート 弱視の早期発見のために
幼児用視力検査キット贈呈

弱視の早期発見のために幼児用視力検査キット贈呈

沖縄ライオンズクラブ(上原光太郎会長/84人)は4年前からクラブの方針として、弱視の早期発見を目的とした活動の強化に取り組んできた。この度その一環として、一般の視力検査で用いられるランドルト環(輪の一箇所が欠けたマーク)を食べかけのドーナツに見立てた幼児用検査キット「ベビー・アイサイト」(3歳から楽しくできる視力検査「たべたのだあれ」)と練習用の絵本を、那覇市へ寄贈した。市はそれらを、今年4月に開園したばかりの天久(あめく)みらいこども園(比嘉薫園長)へ配布。4月16日、当クラブは同園で、キットを活用した園児の視力検査の練習を実施した。

子どもの視力は生まれてから発達が始まり、毎日物を見ることで次第に「見える」ようになる。しかし視力の発達が完了する6歳頃までに、強い遠視や斜視(ピントが合っていない状態)など何かしらの原因により視覚的刺激が正常に伝わらなくなると、視力の発達に障害を受けることになる。このようにして生じた視力障害を「弱視」という。

弱視の怖いところは、視力の発達期間を過ぎてから治療を開始しても、その後の視力は一定以上にはならないことである。弱視の治療で大切なのは、早期発見、早期治療。早く始めるほど治療の効果は高くなる。それゆえ、3歳までの視力検査が重要となる。現在保育園では、3歳児の視力検査は義務化されておらず、また乳幼児は見え方に異常があっても自分ではそれに気付けない。そこで当クラブは、幼児が楽しく遊びながら視力検査を出来るキット「たべたのだあれ」を寄贈したのである。

「たべたのだあれ」を商品化したのは、高知県の土木・環境総合コンサルト会社(有)創友の宮崎洋一社長。ドーナツに見立てたランドルト環の4方向に4種類の動物を配置し、子どもたちにドーナツを食べた動物の名前を言ってもらうことで視力検査が実施出来る。4年前、当クラブの藤原一美幹事は宮崎社長と知り合い、幼児の視力検査の重要性を聞き感銘を受けた。藤原幹事は沖縄ライオンズクラブとして活動が出来ないかと、クラブ会員でもある那覇市議会の上原仙子議員と一緒に何度も市に掛け合い、今回の寄贈が実現した。視力検査の練習では、天久みらいこども園の園児たちが興味津々で「たべたのだあれ」を見て答えている姿がとてもほほ笑ましかった。

視力検査キット贈呈を提案した藤原幹事は、「子どもたちに集中して楽しく取り組んでほしい」と語った。また同園の比嘉園長は、「子どもたちの検査に対する理解が進んだと思う」と話した。今後も沖縄ライオンズクラブは、弱視の早期発見につながる活動に継続的に取り組んでいく。
 
2020.07更新(会計/上原のぞみ)