投稿リポート 記念講演"iPS細胞で
希望の光を届ける"

記念講演”iPS細胞で 希望の光を届ける”

2018年の年末にテレビのニュース番組で、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った角膜再生医療の臨床研究承認の記者会見が流れた。磐田ライオンズクラブ(鈴木富二夫会長/62人)は過去半世紀にわたり、アイバンク登録推進活動を行ってきた。しかし私たちがどれだけドナーを集めても、角膜移植が成立するためには、ドナーの情報が速やかにアイバンクに伝わり、家族の同意が得られ、患者、医師、アイバンク職員のタイミングが合うなど、多くの条件がそろわなければいけない。また患者としては、いつ移植が出来るかと突然の機会を待ち続けることになり、移植手術を受けられても定着しない可能性もある。さまざまな要因が関係者へ大きな負担を掛けることに釈然としないものを常々感じていたこともあり、ニュースを見た瞬間「コレだ!」と思った。

定番の奉仕事業を漫然と行うだけでなく、時代の変化に合わせて新しい事業にチャレンジすることもライオンズだ。この再生医療技術が一日でも早く患者に届き希望の光となるように研究を後押しすることは、まさに今我々ライオンズこそがやるべきだと感じた。

それから1年を掛けて準備を進め、2月8日、クラブ結成62周年記念事業として、大阪大学大学院医学系研究科脳神経感覚器外科学(眼科学)主任教授・西田幸二教授をお招きして講演会を開催した。西田教授は、iPS細胞から作った角膜上皮細胞シートを患者に移植する世界初の臨床研究を行った方だ。「iPS細胞で希望の光を届ける」と題したこの講演を通じて、当クラブ・メンバーのみならず、近隣ライオンズクラブのメンバーや一般市民など多くの方々に、iPS細胞由来の角膜再生医療がもたらす未来像を直接届けることが出来た。また同時に、少しでもこの技術の完成に向けて後押しが出来るように、研究費として大阪大学への寄付を行った。講演には334-C地区(静岡県)の大石淸美地区ガバナーも参加、賛辞を頂いた。

磐田ライオンズクラブとしては本講演を皮切りとして、日本国内のみならず世界中のライオンズがこの再生医療技術を支援し、視覚障害のある方々へ希望の光となって届けばと思っている。

2020.05更新(幹事/村松正浩)