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グループリーダー報告

FVDG/DGEセミナー グループリーダー報告

第1副地区ガバナー/地区ガバナーエレクト(FVDG/DGE)セミナーとは、次年度地区ガバナーとして地区運営の最高責任者になるFVDG/DGEに、ライオンズクラブを強化・構築していくために必要な知識、ビジョン、スキルを身に着けてもらうことを目的とした、数日間にわたる集中研修セミナーだ。

セミナーは2回に分けて、全4日の日程で行われる。1~3日目は、アメリカ・イリノイ州シカゴから西へ約50kmに位置する同州セントチャールズの大型総合研修施設「Qセンター」で開催。研修4日目は、国際大会の一部として行われる。2月に研修を行うようになったのは昨年度からだ。従来は国際大会の直前にDGEセミナーが行われていたが、早期に実施することでより有効な次期への準備が出来る。また、市街地から遠く離れた研修施設に全世界のFVDGが集合することで、集中して有意義な研修が行えるのだ。

今年度のセントチャールズでのFVDGセミナーは、2020年2月11日~13日に行われた。

研修は英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、ヒンズー語、イタリア語、スウェーデン語、ポルトガル語、韓国語、日本語、中国語、フィンランド語の各言語ごとに分かれたクラスで行われる。各クラスの講師であり、監督・指導をするのが30人のグループリーダーだ。日本語は1クラスで、私がグループリーダーを拝命した。グループリーダーの仕事は単にセミナーの講師だけでなく、FVDGがDGEになり地区ガバナーとなるまで、責任を持って指導し、励まし、応援していくことだ。晴れて就任した35人の地区ガバナーが、それぞれのビジョンを持って地区を運営し、発展させていくのを見ることが、グループリーダーにとっての大きな喜びとなる。

グリープリーダーの仕事は、昨年8月から始まった。担当する第1副地区ガバナー全員に連絡を取り、情報伝達や事前課題の案内、指導をセミナーまでに頻繁に行う。更に、講師を務める準備として、セミナー委員長、国際本部とのオンラインでのグループリーダー研修が数回あり、忙しい日々が続く。研修はセミナー終了後も続き、オンライン研修やメールでの連絡が必要となる。そして、国際大会での最終研修をもって実際のグループリーダーの仕事は終了する。

私が現地に着いたのは2月7日、セントチャールズは例年より暖かく雪はなかった。これまでグループリーダーのアシスタントして過去3回(2017年シカゴ、2018年ラスベガス、2019年セントチャールズ及びミラノ)のDGEセミナーを経験させて頂いたが、今回は日本人の講師は私一人ということで、緊張の中でQセンターに到着した。1日休養した後、ダグラス・アレキサンダー国際第1副会長とスティーブン・グラス セミナー委員長を中心に、本部職員の進行でグループリーダーの打ち合わせが2日間行われ、次期の方針や各セッションの内容確認、グループリーダー同士の交流、そして各教室の準備と設営を行なった。

気温が氷点下になり雪が降りだしてシカゴらしい気候になった10日、新型コロナウイルスの影響下にある中国を除く全世界約680人の第1副地区ガバナーがQセンターに集まり始め、いよいよFVDG/DGEセミナーが始まった。

11日、初日はアレキサンダー第1副会長とFVDG一人ひとりとの写真撮影が行われた後、バスで国際協会本部へ移動して見学ツアー。午後、全FVDGが集まる全体セッションで開会式が行われた後、各クラスに分かれてオリエンテーションをして午後6時に終了した。FVDG全員と写真撮影をしたアレキサンダー第1副会長は、朝7時から午後2時まで立ちっぱなしで握手と笑顔で撮影に臨まれ、大変お疲れのようだった。

次年度の方針を説明するアレキサンダー国際第1副会長

12日、2日目の午前中は事前課題等の復習からスタート。「バランスのとれたリーダーになるために」のセッションで、リーダーとしての知識や志、気持ちのバランスの大切さを理解した後、アンケートによる自己診断で自身の人物評価をしてもらった。「チームの力学」のセッションでは、自分のチームが効果的に活躍する方法を学習。午後の「目標の達成」のセッションでは目標の設定と行動計画について学び、更にディスカッションを行った。夕方の全体セッションでは、アレキサンダー第1副会長から次期の国際協会の優先事項が説明された。

13日、3日目は全体セッションから始まり、レオクラブのメンバーをゲストに迎えてレオクラブ・プログラムを活用した会員増強の成功事例の講演があった。その後各クラスに分かれ、「会員増強の支援」セッションで会員維持の重要性、「アクティビティ報告」ではMyLionによる事業報告の意義を理解し、更に「会員増強」について議論するセッションもあった。

そしていよいよ、このセミナーの中でも刺激的なセッションである「課題と機会」。これは、地区の課題をケーススタディーにしてその対応を討論した後、隣の英語クラスのメンバーと合同で行うセッションだ。日本語クラスにやってきた英語クラスは、アメリカ、カナダ、オランダ、インド、ナイジェリアのFVDG29人。合同セッションは、両クラスのメンバーが入り混じり、ディスカッション・テーマごとに五つのテーブルに分かれて行った。テーブルごとに自己紹介と簡単な交流をした後、与えられた課題についての対応の討論結果を英語クラス、日本語クラスがそれぞれ発表。更に考え方や対応方法の違い、共通点に関する意見交換を行なった。2時間のセッションでは足りないくらい充実して有意義なセッションとなった。他国の同じ立場のメンバーとの交流は、日本のFVDGに新たな発見を与えたものと思う。

その後の全体セッションでは、シンガポール国際大会の案内の後、閉会式が行われた。この日の夕食後は開放感からか、施設のあちこちで各国メンバーがにぎやかに研修修了の喜びを分かち合っていた。グループリーダーも、アレキサンダー第1副会長、ブライアン・シーハン第2副会長、パティ・ヒル第3副会長らと共に遅くまで労をねぎらい合った。翌2月14日は、朝6時からグループリーダーも含め全参加者が帰国の途に着いた。

ここ数年のDGEセミナーに関わらせて頂き、セミナーの内容は年々より具体的、現実的、実践的に変化している。研修には対話や体験を通して学んでいく方法が採られ、ディスカッションも取り入れて、参加者自らが積極的に学習出来るようになっている。また、異文化交流のツールが配布され、それを利用して自由時間に言語や人種を超えて交流出来る工夫もされていた。

3日間のセミナーを充実させるため、準備期間も含めて本部スタッフや通訳、グループリーダー総勢100人近いサポート態勢が取られており、国際本部が地区ガバナー育成を最重要項目の一つとしていることが良く分かる。この研修で学んだことを生かして、次期地区ガバナーがすばらしい運営をされることを期待している。

2020.03更新(2020年FVDG/DGEセミナー・グループリーダー/濱野雅司)