投稿リポート 24回目の継続事業
沖縄の小学校へ雪の宅配

24回目の継続事業 沖縄の小学校へ雪の宅配

1970年に結成された六日町ライオンズクラブ(42人)は、今年50周年の節目を迎えた。そんな当クラブの継続事業の一つに、沖縄の小学校への雪の宅配事業がある。第1回を実施したのは97年。以来毎年届け続け、今年で24回を数えた。

この事業のきっかけとなったのは、地元のユースホステルでペアレント(支配人)をしていた当クラブ・メンバーと沖縄の本部ライオンズクラブとの間に交流があったこと。92年にクラブ同士が姉妹提携を結び、夏は南国本部へ、冬は雪国六日町へと青少年の交換を続けていた。そうした中で本部のメンバーから「沖縄にいる他の子どもたちにも雪を見せてあげたい」という一通の手紙を受け取った。そこで宅配便で雪を送ることを考えたのだが、その際に気を配ったのは、ライオンズが表に出るのでなく子どもたちを主役とし、南魚沼市立六日町小学校から本部町立本部小学校へ雪を送るということ。我々が脇役に徹することで、子ども同士の交流がより深まるようにと願ってのことと聞いている。

その後、残念ながら本部ライオンズクラブは04年に解散してしまったが、雪の宅配事業が今も継続しているのは、私たちが脇役の気持ちを忘れず、子どもが主役であり続けたからだと思う。現在は本部小学校だけでなく、南魚沼市の雪まつりに琉球太鼓の演奏出演で参加してくれる金武町立嘉芸小学校へも雪を贈っている。

今年の第24回雪の宅配事業(星野一夫青少年奉仕委員長)も例年通り雪まつりの前に発送するために、当初は1月27日に小学5年生の児童たちが、各自思い思いにペイントした発泡スチロールで出来た雪だるま型のケースに校庭の雪を詰め込む作業を行う予定だった。しかし普段なら1m以上の積雪になっているはずが、今年は記録的な少雪でいつになっても天気予報には雪マークが付かず、校庭の積雪は0㎝状態が続いていた。学校側と検討し2月10日に延期したものの、状況は一向に変わらず。学校行事が詰まっているため再度の延期は断念せざるをえず、今年は中止かと諦めかけたが、子どもたちが思いを込めて描いた雪だるま型ケースを無駄には出来ないと、当クラブ・メンバーのみで雪のある所へ赴くことにした。幸い作業の2日前から待望の降雪があり、近くの山で雪詰め作業を無事に済ませ、沖縄の子どもたちへ雪を届けることが出来た。

今振り返ると、最初に雪詰めの作業を行った場所は、ユースホステル前にあった体育館だった。事前に報道機関に連絡はしていたが、取材に来てくれるとはそれほど期待していなかったものだ。しかし実際にはテレビ放映され、地元新聞にも掲載、ライオン誌97年8月号「クラブ・リポート」でも紹介された。この体育館は今はもうない。しかし事業は困難に遭っても途切れることなく四半世紀近く続けることが出来、またライオン誌ウェブマガジンで紹介出来ることに、この事業の力強さと何かしら因縁めいたところを感じるのだ。
 
2020.03更新(会長/山井博)