投稿リポート
冬の人気イベントで
甘酒の振る舞い
北海道・石狩ライオンズクラブ
#人道支援
2月2日、石狩ライオンズクラブ(齋藤剛和会長/33人)が後援している「石狩浜歩くスキー&かんじきウォーキングの集い」が開催された。41回目を迎えるこのイベントでは、当クラブ会員と家族が20年以上にわたり手作りの甘酒を参加者全員に無料で振る舞い、大好評を頂いている。
今年の北海道は記録的な少雪による雪不足で開催が心配されたが、石狩市体育協会を始め関係者の皆様の尽力により、100人近い参加者が心地よい汗を流した。会場となった石狩砂丘は、小樽市の銭函(ぜにばこ)大浜から厚田村の無煙浜まで海岸線と平行に伸びる細長い砂丘で、全長約30km。道内でも道北の稚咲内(わかさない)砂丘に次ぐ規模の自然の海岸砂丘だ。約1000年前に海流や波風、石狩川の流れによって砂が集まり作られたもので、春から秋までハマナスやハマボウフウ、イソスミレ、ハマエンドウ、ハマヒルガオ、エゾスカシユリ、コガネギクなど貴重な海浜植物に覆われ、石狩市海浜植物保護区に指定された緑のベルト地帯となっている。
冬はこの砂丘が真っ白な大雪原となり、荒々しい波しぶきの立つ海原と激しい潮騒が、大迫力のパノラマを演出する。はるか遠くには別狩(べっかり)岳、神居尻(かむいしり)岳、ピンネシリ、隈根尻(くまねしり)山が浮かび、運が良ければオオワシやオジロワシが悠々と飛翔する姿も見ることが出来る。この大パノラマを臨みながら、普段は踏み入ることが出来ない砂浜の上の大雪原を、歩くスキーで駆け抜ける爽快さ。かんじきが新雪に描く軌跡は、雪国ならではの醍醐味だ。道路が整備されていなかった昔、先人たちが道無き道を歩くために培った知恵と開拓の苦労を感じられるような気がする。
今年は世界的な温暖化の影響で、12月、1月共にまとまった雪は観測されていない中での開催だった。ところどころアスファルトが表出し、道路を歩くような状態だったのが少々残念だった。そんな中でも参加者の皆さんが無事に完走され、ゴール地点で私たちが提供する温かい甘酒に舌鼓を打たれ、笑顔で「おいしい」と言って頂けて我々の喜びもひとしおである。
当日の朝は、会場近くの石狩八幡神社の社務所をお借りして大鍋二つ分の甘酒を作るチームと、ゴール地点に近い石狩小学校でテント張りなどの会場設営をするチームに分かれて準備を開始した。石狩八幡神社は1858(安政5)年創建の歴史と由緒ある神社で、花田和彦宮司は当クラブの会員でもある。甘酒は近頃、栄養価の高さから「飲む点滴」「飲む美容液」などと称され、再注目のスーパーフードだが、特に当クラブの甘酒は香りの高い八海山純米大吟醸の酒粕「酒の實(み)」を使用し、北海道産のてんさい糖で疲労回復の甘さを加え心を込めて作ったもの。厳選された酒米と八海山に湧く清水で作られた酒の實と、雑味のない道産てんさい糖は相性が良く、大変おいしくぜいたくな逸品になり、大鍋は一滴も残らずからっぽになった。
甘酒提供会場の石狩小学校は円形校舎がシンボルで、長く市民に親しまれ子どもたちの健やかな成長を見守ってきたが、今年の3月31日をもって閉校が決まっている。石狩ライオンズクラブが行うチャリティーイベント「秋ふぇす」での収益金は、毎年石狩市教育委員会に寄付をさせて頂いているが、このように少子化の影響で小学校が閉校になるのはとても寂しいものである。
当クラブでは他にも、街路樹のせん定及びごみ・雑草撤去や前述の秋ふぇす、交通安全啓発活動、献血活動など、地域社会に密着した活動を基本とし、日々精進している。これからもライオンズクラブのモットーである「ウィ・サーブ」の精神で心を合わせて奉仕活動を継続し、地域に愛されるクラブでありたいと思っている。
2020.03更新(MC委員長/毛利照美)