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アラート・セミナー開催

広島で日本ライオンズ  アラート・セミナー開催

11月9日、広島市の広島国際会議場で一般社団法人日本ライオンズ(識名安信理事長・前337複合地区議長)主催のアラート・セミナー「自然災害にライオンズが担う事」が開かれた。広島で11月7日から10日に開催された第58回東洋・東南アジア・ライオンズ(OSEAL)フォーラムに合わせて同法人のアラート委員会(小林聰委員長・335複合地区議長)が企画した。

セミナーは識名理事長、小林委員長のあいさつで始まり、続いて佐賀県・武雄ライオンズクラブの石永扶佐夫元会長から、今年8月27日から28日にかけて記録的な大雨となった佐賀豪雨で浸水被害に遭った地域における支援活動の報告が行われた。

武雄ライオンズクラブを始めとする337-C地区1リジョン3ゾーンの6クラブ(鹿島、嬉野、武雄、杵島、武雄中央、武雄御船)は、地元婦人会、食生活改善協議会、栄養士会や地元ボランティア団体と協力し、1カ月半にわたり避難者向けの炊き出しを実施。当初は避難所に入っている人が対象だったが、在宅被災者に炊事が出来ず食事に困っている人がいることから、出来たての弁当を届ける配食サービスにも取り組んだ。石永元会長は、被害者に寄り添い、一日も早く元の生活に戻れるよう支援するためには、地元の社会福祉協議会との連携、地区及び全国のライオンズクラブとの連携が重要だと報告を締めくくった。

続いて日本ライオンズ・アラート委員会アラート・チームの西日本リーダーを務める坂本惠市335複合地区アラート委員長が、今後の災害リスクと日本アラート体制の必要性について説明した。ライオンズには緊急支援を行うために必要なマンパワーも資金もそろっているのに、それが発揮出来ていないと指摘。335複合地区、335-B地区での活動を例に挙げながら、迅速で的確なアラート活動を行うためには、各クラブで理事会・例会の承認を待たずに拠出出来るアラート準備金を確保することや地元の社会福祉協議会と平時から密接な関係を構築すること、クラブ内にアラート委員会を設置することが必須だとし、地区においてはSNSを活用した災害時の緊急連絡網を構築して定期的な訓練を行う必要があると述べた。

最後に、日本ライオンズ・アラート委員会のアドバイザーを務める柿原勝彦元335複合地区議長が、いつ、どこで起こるかもしれない災害に対し、地域による温度差のないアラート活動を可能にするためには、全国的なネットワークを構築することが急務だとし、日本ライオンズ・アラート委員会の必要性を強く訴えた。

参加定員は360人だったが、用意された席は満席となって立ち見が出るほどで、アラートに対する関心の高さがうかがえた。阪神・淡路大震災以降、義援金などの金銭的な奉仕だけでなく、実際に被災地に足を運んで支援活動に取り組むクラブが増え、更に東日本大震災ではクラブ、地区レベルの支援に加え、日本の八複合地区が協力して被災地に緊急支援物資を届ける活動も行われた。相次いで発生する台風・豪雨災害は激しさを増しており、猛威を振るう自然災害への危機感が高まる中、参加したメンバーは誰もが熱のこもった表情でスピーカーの話に聞き入っていた。

2019.11更新(取材/河村智子)