投稿リポート
平成最後、令和最初の例会で
決意新たに
広島県・福山ライオンズクラブ
#人道支援
#青少年支援
福山ライオンズクラブ(大本智三会長/81人)は4月23日、平成最後となる第1500回例会を迎えた。これを記念して歴史研究家の落健一先生をお招きし、2022年に築城400年を迎える福山城と福山市の歴史について、「古典と福山ー古典にふれて福山を楽しもうー」と題して講演して頂いた。
落先生は福山市内の神社や寺院を写真で紹介しながら、万葉集や平家物語などの古典文学に登場する福山について、それらにまつわる歌碑や石碑などと共に解説。潮待ちの港・鞆の浦を中心に、福山では数多くの作品が詠まれていたことに触れ、散策をして古典を楽しんでもらいたいと話された。
そして記念すべき令和最初となる5月14日の第1501回例会では、ライオンズクラブのモットー「We Serve」の原点に返り「青少年育成」に焦点を当てることにし、児童虐待防止の啓発活動を行っている戦慄かなのさんをお招きし講演して頂いた。
戦慄さんは1998年生まれの20歳。自らの体験を元に、児童虐待の悲惨さ、虐待が招いた悲劇、どん底からの立ち直りについて話された。母親から育児放棄や児童虐待を受けて育ち、必要なお金を得るために始めた非行がエスカレート。高校中退後、保護施設に入った後、少年院へ送られた。2年間過ごした少年院での経験を通して、自分と同じような境遇の人に関わる仕事をしたいと考えるようになった。少年院退院後に始めたアイドル活動を通じて得た発信力を生かし、児童虐待の問題を解決するために大学の法学部で学びながら、2019年1月にNPO法人bae(ベイ)を設立した。
講演では、戦慄さんが非行に走らざるを得なかった事情や、少年院で初めて自分に向き合ってくれる大人に出会えたことなどが語られた。家庭では母親から風呂にも入れてもらえず、髪はボサボサ、毎日同じ服を着ていたが、比較的裕福な家だったために先生は誰も育児放棄・児童虐待に気づいてくれなかった。その間、誰にSOSを発信していいか分からなかった、誰かに気づいてほしかった、と当時の心情を吐露された。そして今後の活動について、地域に気軽に立ち寄れる相談所を作りたいと、目標を語った。私たちも今後、どのように社会奉仕活動に取り組むべきか考えさせられた。
この講演には、児童養護施設やこども家庭センター、教育関係の皆様にも参加頂いた。児童虐待防止の思いを共有出来たのではないかと思う。福山ライオンズクラブでは今後も、青少年健全育成活動を推進していきたい。
2019.05更新(幹事/横藤田晋)