投稿リポート グループ討議で意欲高める
薬物乱用防止教室

グループ討議で意欲高める 薬物乱用防止教室

横浜旭ライオンズクラブ(宮西隆行会長/38人)は地域に根差した奉仕活動に取り組んでおり、特に青少年を対象とした薬物乱用防止教室に力を入れている。7年前から継続し、当初は3校での実施だったところ、今では小中学校15校(2017-18年度実績)で、年間約1500人(延べ44クラス分)の児童・生徒を対象に開講している。

現在、当クラブには麻薬・覚せい剤乱用防止センターの認定を受けた講師が17人おり、クラス単位で薬物乱用防止教室を行っている。教室では初めに17分程度のDVDを視聴した後、「友達から中身の分からない物を他の人に渡すよう頼まれたらどうする?」や「仲間に入れてやるから一緒にやろうと誘われたらどうする?」といった問題について、グループ討議をしてもらう。討議の後、自発的に寸劇を演じるように発表する生徒や、自信なさそうにしながらも「絶対に断ります」と確信を持って発表する生徒の姿を見ると、いつも心を動かされる。

今年度は児童・生徒へのアンケートも実施している。人前で発表するのが苦手な生徒の意見を聞くためだ。「実際に薬物に誘われたらどうしよう」という発言しにくい不安な気持ちを抱く生徒がどれだけいるのか、といったことを含め、さまざまな意見を拾い上げて、教室に活用出来るようにしている。

また、7年間にわたり開催しているため、小学6年生の時に受けた生徒が中学3年生になって再度教室を受講することもある。中学生になって部活での上下関係や思春期の恋愛感情を経験した生徒たちは、小学生の頃のただ「危険なもの」といった認識とは異なり、「あの先輩に言われたら断れないかも」「大好きな人から言われると断れないかも」といった具体的なイメージを抱いて、真剣に考えてくれていることがうかがえる。

薬物乱用防止教室の終了時には、学んだ内容を家族と一緒に振り返ってもらえるように麻薬・覚せい剤乱用防止センター製作の冊子を配布している。家族での話し合いによって二次効果も生まれているものと期待している。

「過去は変えられないが、将来は変えられる。将来を変えるのは今の自分しかいない」
私たちライオンズ・メンバー一人ひとりの今を変えて、一人でも多くの生徒に、薬物乱用は「ダメ。ゼッタイ。」の合言葉を広め、安心安全な地域社会を築いていきたい。

2019.01更新(薬物乱用防止委員会委員長/吉田正利)