国際財団 ウガンダの未来を照らす希望
ウガンダ
水が不足しトイレや下水設備が整っていない地域、また衛生状態が悪い家は、世界的に失明の主要原因となっているトラコーマを流行させる温床となる。トラコーマは主にハエなどに媒介される感染症で、目にかゆみや刺激を引き起こし、ウガンダではあらゆる年齢の人々を悩ませている。ウガンダのライオンズはライオンズクラブ国際財団(LCIF)の支援を受けて、人々を苦しめるこの病気を根絶するために懸命に取り組んでいる。
トラコーマの感染が繰り返されるとまぶたが内側にまくれこみ、まつ毛が角膜を傷つけることで、視覚障害や失明をもたらす。これは人々の健康だけでなく、社会的、経済的にも影響を及ぼす問題である。トラコーマの症状は、まぶたの矯正手術によって改善することが出来る。LCIFは2014年からザ・クイーン・エリザベス・ジュビリー・トラスト(以下ザ・トラスト)とパートナーシップを結び、視力ファースト交付金450万ドルを拠出して、ザ・トラストがウガンダ及びケニアで行う2万2500件以上の手術をサポートすることを約束した。
ウガンダのライオンズも同年からザ・トラストと提携し、LCIF-トラスト・プロジェクトをスタート。ライオンズ・メンバーは人々が集まる教会や市場、地域のさまざまな集会に出向き、あるいはラジオを通じて、啓発活動を行い活動をPRしている。これまでウガンダではトラコーマの手術を受けると失明するという間違ったうわさが信じられていて、人々が手術を受けることを阻んでいた。しかし、ライオンズと地区の関係者からなるラジオ・チームはリスナーに正しい知識を伝えることで、患者を安心させ、うわさを払拭しようとしている。
最近ウガンダのライオンズは視力ファースト交付金7万1696ドルを得て、キティトとアガゴの2カ所で政策の提言、活動のための動員、抗生物質を配布するキャンプなどを実施した。そしてLCIF-トラスト・プロジェクトを更に拡大しトラコーマを撲滅するために、地域のリーダーや影響力のある人々にこのライオンズの人道的活動について説明し理解を得ようとしている。
ウガンダのライオンズの努力とLCIFの支援により、二つのキャンプで150人以上の患者に眼科手術も提供された。各地で根拠のないうわさは下火になっており、手術を拒否する人の数は減少している。ウガンダの未来に明るい兆しが見え始めてる。
2018.12更新(文/ジェイミー・ケーニヒスフェルト)