国際財団
飢えに苦しむ子どもたちに
届いた支援の手
コロンビア
飢餓は世界中で非常に多くの人々が直面している問題だ。毎日8億人以上の人々が、空腹を満たせないまま夜を迎えているという報告もある。南米コロンビアに32ある県の一つラ・グアヒラ県で暮らすワユー族はコロンビア最大規模の先住民族だが、この10年でワユー族の子どもたちおよそ5000人が栄養失調で死亡している。地元ライオンズクラブは、そんな危機的な状況を打開するため「栄養センター」を建設、子どもたちのために毎日栄養のある食事を提供している。この活動は、地元ライオンズが集めた寄付金と、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)からの交付金で支えられている。
ワユー族は元々、近くを流れるランチェリア川を生活基盤とし、作物を栽培して暮らしていた。しかし2011年にダムが建設されると、川の流路は大きく変わった。ワユー族の生活を支えていた川は、他の地域の生活用水や灌漑用水、交通手段となり、またコロンビア最大のセレホン鉱山で利用されるようになった。今ではワユーの人々は3時間歩いて水くみに行かなければならない。しかも、やっとたどり着いた井戸の水は、細菌で汚染されている。更に悪いことには、11年から続く干ばつの影響で、作物が全く育たなかった。
ライオンズはこうした喫緊の問題に対応すべく、六つの栄養センターの建設に取り組んでいる。既に二つの施設が完成し、17年12月にオープンした。各センターは地元の学校近くに作られ、食堂と調理施設、食料貯蔵庫、そしてトイレを設置。運営資金や食料、人員は地元の市町村が提供している。
子どもが健康に成長するためには、毎日栄養のある食事を取ることが不可欠だ。オープン以来、100人以上のワユー族の子どもたちが栄養センターを利用しており、センターの存在が子どもたちが学校に通うことを後押ししている。お腹が満たされ、次の食事の心配をする必要がなければ、より多くの子どもたちが集中して授業を受けられるようになる。
LCIFの大型資金獲得キャンペーンである「キャンペーン100」により、ライオンズは地域社会で、そして世界中で飢餓撲滅や食料不足問題に対する取り組みを強化していく。
2018.12更新(文/ジェイミー・ケーニヒスフェルト)