国際財団
学生と地域住民に
喜びを与える学校再建
フィリピン
2013年は台風が多発した。11月に発生した台風30号のハイエン(現地名ヨランダ)はスーパー台風となり、フィリピンを襲った。
ソルソゴン州バルセロナ市に位置するタグドン小学校も、大きな被害を受けた。同校が開校したのは30年以上前のこと。以来、勉強に励む生徒たちのにぎやかな声に満ちていた空間も、ハイエンの直撃を受け、一瞬にして消し飛んだ。建物の損壊に加え、洪水によって押し寄せたがれきやゴミが、運動場のあちらこちらに散乱した。
子どもたちが安心して勉強に集中出来る、清潔で安全な学習環境を取り戻してあげよう。ドイツのライオンズクラブが支援を申し出、寄付金とLCIFからの交付金を確保して、校舎の改築と拡張を行った。また普段からタグドン小学校と交流のあった地元ブラン ライオンズクラブも、学校の再出発に貢献した。
ドイツのライオンズ、LCIF、そしてブラン ライオンズクラブからの支援によって、3棟の校舎と九つの教室が再建された。校舎の壁、天井、屋根、窓、ドアや、電気機器などは全て修理され、歓迎を表す黄色と鮮やかなブルーをアクセントに華やかに塗装された。更に、新たに図書館、コンピュータールーム、医療施設、トイレが整備された。
タグドン小学校には年間250人の児童が在籍。今ではライオンズにより整えられた環境で、学習意欲も高まっている。今後は近隣の五つの小学校に通う1000人以上の児童たちも、タグドン小学校の図書館、コンピュータールーム、医療施設を利用する予定だという。更に、年間4750人以上の地元住民が、医療施設のサービスを受けることが出来るようになる。この支援プロジェクトは、ライオンズによる一つの善意が、コミュニティーの健康や幸せをも育むことを証明している。
「子どもたちに良い学習環境を用意することが、私たちの願いでした。それは子どもだけでなく、その家族も助けることになります。そして結果的にフィリピンという国全体を助けることになるのです」
タグドン小学校の卒業生でもあるライオンズ・メンバー、マレーネ・ルス・エルモ‐コスロフスキー博士はこのように話している。
2018.09更新 (文/ジェイミー・ケーニヒスフェルト)