投稿リポート 食を通じた奉仕活動
"フードドライブ"に初挑戦

食を通じた奉仕活動 “フードドライブ”に初挑戦

一宮サウスライオンズクラブ(杉本敏之会長/72人)は2月25日、「『もったいない』を『ありがとう』に」を合言葉に、一宮市民の皆様から家庭や職場で余っている食品を提供してもらい、福祉施設やフードバンクに寄付するフードドライブ事業を開催した。

昨今、子どもの貧困が社会問題化している。愛知県一宮市内で給食費や学用品費が払えずに就学援助制度を利用する困窮家庭の子どもは、小学生で1,000人、中学生で1,200人に上るという。家族団らんでの楽しい夕食とはほど遠い「孤食」も増加していると聞く。そんな子どもたちに温かい手料理と居場所を提供するための「子ども食堂」が全国各地に増え、愛知県内でも56カ所の設置が確認されている。大半の「子ども食堂」は地域のボランティアが運営しているため、場所の確保や食材の調達に困難を抱えている。最近では自治体が支援する動きも出てきているが、民間でも子どもの貧困問題に関心が高まり、さまざまな支援の輪が広がっている。そんな社会的機運の高まりの中、我が一宮サウス ライオンズクラブでも地元一宮で「お腹をすかせた子どもたちを一人でも多く笑顔に出来るように」との思いから、「フードドライブ」事業を開催しようということになった。振り返れば、最初はほぼ全てのメンバーが「フードドライブ???何それ??」という状況の中でのチャレンジだった。

フードドライブとは、まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品を生かす取り組みだ。家庭や事業所で食べられずに眠っている食品を持ち寄り、それを必要とする人たちに利用してもらおうという活動である。当クラブではまず、メンバー自身が「フードドライブ」について勉強することから始め、自分たちにも出来るすばらしい活動だと認識した。そして一点でも多く食材が集まるように、家族会員を含めメンバー全員で街中に告知ポスターを貼り、開催日が近づくと真冬の寒空の下、駅前でチラシ配りも行った。

そして迎えた当日、会場となった名鉄一宮駅構内の名鉄百貨店正面玄関前には、10時のオープンと同時に多くの方が食品を持って集まってきた。家族会員を含めメンバー全員が早朝から来場者の受け入れに大忙し。終了まで一日中、市民の皆様からの善意の寄付は途絶えることはなかった。そして、事業の趣旨に賛同して集まってくれた地元のミュージシャンやパフォーマー、合唱団の子どもたちもにぎやかに場を盛り上げてくれた。会場に食品を持参してくれた多くの市民の皆様より「これからも定期的にやるの?」「今度はいつやるの?」等と熱心に尋ねられる場面も多く、改めて市民の皆様の心の温かさと関心の高さ、このような取り組みの継続の必要性を感じた。同じ地区内のライオンズ・メンバーからも多数の食品の寄付を頂き、全メンバーがライオンズクラブの仲間の熱い友情と協力に感謝の気持ちでいっぱいであった。

最終的に、当日の来場者は400人を超え、集まった食品は3,000点、米はなんと320kgにもなった。寄贈先である「のわみ相談所」への贈呈式で、杉本会長から三輪所長へ目録が手渡されると会場からは大きな拍手が沸き起こった。

食品受け付け終了後、善意の込もった食品はトラックいっぱいに積まれ、寄贈先の倉庫へ送り届けられた。届けられた食品は、現在、子ども食堂や困窮家庭の食卓で利用されている。お腹をすかせる子どもたちが一人でも少なくなることを願って今回初めてチャレンジした「フードドライブ」事業によって、メンバー全員が改めて多くの人の優しさと善意に気付き、感謝の気持ちを共有出来た。

2018.04更新(FWT委員長/高橋正子)