投稿リポート 災害時に活躍するボランティアリーダーを育てる
島根県・松江ライオンズクラブ
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島根県・松江ライオンズクラブ(鷦鷯〈ささき〉治会長/126人)は3月10日(土)、松江市のくにびきメッセ(島根県立産業交流会館)1階小ホールで、災害時地元ボランティアリーダー育成事業「地元の力で地元を支援」を実施した。
近年、東日本大震災や熊本地震など大規模災害が相次いで発生している。災害発生時には、多くの被災者が避難所という普段と全く異なる環境の中で、ストレスに満ちた生活を強いられることになる。その時に備え、ゲーム・プログラムを通じて避難所の設営や運営を体験しながら、災害時にどこで何が必要かを考え、地域社会の一員として個人や団体が支え合い共に物事を進めていく方法を体験することが、この事業の目的だ。日ごろ地域社会と関わりが深く、物事への関心の高い高校生を対象とし、JRC(Junior Red Cross=青少年赤十字)部の生徒を中心に参加してもらい、松江市防災安全課・日本赤十字社島根県支部の方々の協力を得て開催した。
参加者は六つのグループに分かれて各プログラムに取り組んだ。最初は松江市防災安全課職員の指導を受けながら、段ボール製の簡易ベッド・間仕切り・更衣室の組み立てに取り組んだ。組み立てが終わると畳を敷き、段ボールの感触や畳を敷く前後の違い等を体感した。
続いて行ったのが避難所運営ゲーム(HUG)。このゲームは、避難所運営を皆で考えるための一つのアプローチとして静岡県が開発したものだ。避難者の年齢や性別、国籍、それぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所として使う体育館や教室の平面図上に適切に配置していき、それと同時に避難所で起こるさまざまな出来事にどう対応していくかを模擬体験するゲームだ。最初にグループ内でリーダー、読み上げ係、記録係を決め、読み上げ係が読み上げたカード(避難者)をグループ内で相談して配置する。その途中、全体の進行係からイベント・カード(支援物資の到着・避難者からの要望等)が読み上げられると、即座にそれに対応していく。
ゲームの後は、日本赤十字社島根県支部職員の指導によるハイゼックス炊飯体験。「ハイゼックス」とは、設備が十分でない災害現場や避難場所で役立つ非常用の炊飯袋のこと。強化ポリエチレンで出来ていて、沸騰したお湯の中でも有害物質を出さず、一度に大量の小分けの炊飯が出来る。炊飯道具や食器などの道具がいらず持ち運びが便利で、貴重な水を大量に使用出来ない災害場所や避難場所では非常に有効な炊き出し法だ。参加者は各自、ハイゼックス袋にお米・水を入れて空気を抜き、ゴムで止めて大鍋に。30分後に米が炊き上がると、クラブ・メンバーが収穫した芋で作った芋汁と一緒に試食をした。
参加してくれた高校生たちにとって、今回の体験が災害発生時にボランティアリーダーとして活躍するための第一歩になればよいと思う。一緒に体験したクラブ・メンバーも、災害時の対応や避難所での行動の難しさを再認識することが出来た。この経験を今後の活動に生かしていきたい。
2018.03更新(マーケティング・コミュニケーション委員長/富田秀則)
→静岡県公式ホームページ ふじのくに 「HUGってなあに?」(外部リンク)