取材リポート 1泊2日、アグリパーク
で調理などを体験

1泊2日、アグリパークで調理などを体験

2017年12月25日から26日にかけ、新潟西ライオンズクラブ(五十嵐敦会長/56人)は第29回子ども会1泊3食わくわく農業体験inアグリパークを開催した。これはクラブが毎年夏に行っている、市内の小学校3年生から6年生を対象とした青少年健全育成事業だ。2017年も8月に実施を予定していたが、台風の接近によってやむなく中止。小学校の冬休みに当たる12月の終わりのこの時期に延期して実施することにした。元々、この事業は近くの寺でのおもちゃ作りと座禅体験という内容で実施していた。しかし、参加してくれる子どもたちが多く、寺にとっても負担が大きくなってしまったため、アグリパークが出来てからは場所をこちらに移し、さまざまな体験をしてもらっている。今回は冬の開催となったため、農業体験ではなく、食事やお菓子作りなど室内の体験をメインのプログラムに変更した。

学校区を超え、さまざまな学年の子どもたちが参加するというのがこのプログラムの特徴だ。ライオンズのメンバーも子どもたちと一緒に活動するため、普段はなかなか接する機会のない人たちとの交流体験を持つことが出来る。一泊を共にするので、ただ知り合うだけではなく、距離もぐっと近づく。最初はぎこちなくとも、2日目にはメンバーと子どもたちの距離も近くなり、共同作業もスムーズになっていく。

初日は16時15分から開会式とオリエンテーション。17時からは早速夕食を作る。こうしてコミュニケーションをとった後に入浴。そして、20時からはお楽しみ会だ。メンバーもマジックを披露したが、肝心なところの前にネタがバレてしまい、子どもたちから指摘されてしまった。しかし、それらを含めて子どもたちは楽しんだ様子で、お楽しみ会は大盛り上がり。翌日も話題に出るほどだった。

子どもたちの就寝場所は班ごとに分かれたコテージ。大人は近くのコテージで就寝し、何かあった時に備えているが、介入はしない。子どもたちの交流を考えてのことだ。

2日目は7時に起床。7時30分からは全員でラジオ体操をする。朝からの雪で、残念ながら予定していた散歩は出来なくなってしまったが、子どもたちは元気いっぱいだ。朝食はみそ汁とおにぎり。食器の用意や、洗い物まで含めて、全員で手分けして取り組む。

続いてカップケーキ作りを体験。みそ汁に比べて少し複雑な工程が含まれていたが、全員で力を合わせて作っていく。小麦粉や卵を混ぜた生地の上に小さいチョコレートクッキーを乗せオーブンへ。

カップケーキを焼いている間は、チャイルドラインについてのティッシュを配り、説明をする時間に充てる。チャイルドラインは18歳までの子どもが匿名で相談が出来る電話サービス。話す内容は自由で、全国のボランティアにつながる仕組みになっている。クラブではチャイルドラインの支援も行っており、子どもたちが困った時にこの電話の存在を思い出してくれるように、説明することにした。

カップケーキを食べた後は畜舎でのえさやり体験だ。牛やヤギと直接触れ合うことが出来る。入り口にはメンバーが立ち、子どもたちに足下の消毒と手洗いを徹底させていた。えさやりの後はアグリパークの職員が牛やヤギの生態や、雑学をクイズ形式で披露。牛が1日に20kgもの牛乳を出すことを紙パックで表した際には、子どもたちは皆驚いていた。

最後は米粉を原料としたピザ作り体験。ピザ生地を伸ばした後、ソースを選び、野菜や肉をのせていく。最後にチーズをかけて石窯で焼かれるピザは、世界で一つだけのピザだ。

これが終わると閉会式。2日間というわずかな時間だが、共に過ごした新たな友達との別れの時間だ。笑顔でさよならを交わす子どもたちの、ちょっと成長した表情に、迎えに来た親御さんたちも少しびっくりしていた。

夏の実施が台風で取りやめになり、クラブでは中止にすることを検討していたが、冬の実施に踏み切り大成功。子どもたちが集まるのかという心配も杞憂に終わった。何度も参加してくれる子も多く、子どもたちにとっては大切な思い出となっている事業だ。いつか、この事業を体験した子どもたちが大人になり、一緒に運営側に回ってくれることが、クラブの夢である。

2018.02更新(取材・動画/井原一樹 写真/関根則夫)