国際財団家族のように寄り添う
地震被災地支援

家族のように寄り添う地震被災地支援

2020年10月30日15時、 マグニチュード7.0を記録したエーゲ海地震が発生。人口約400万人のトルコ第3の都市イズミルを強い揺れが襲った。イズミルにある16のライオンズクラブはレオクラブと協力し、地震発生の1時間後には支援態勢を整え、3時間以内に拠点となるブースを崩壊したアパートの裏に設置した。新型コロナウイルスが勢いを増す中、人々を感染から守るための対策も極めて重要な課題だった。その日の午後6時には被災者や捜索救助隊メンバーのために、飲料水や消毒液、また15万枚用意したマスクの配布を開始。7時には温かいライスとチキンスープが何千もの人々に提供された。

途方に暮れる被災者たちは、黄色いベストに身を包んだライオンズを見つけると、「政府の出先機関はどこにある?」「これからどこに住めばいいんだ」「誰か子どもに食事を」などと訴えてきた。ライオンズが助けてくれると信じていたのだ。緊急支援用テントにはライオンズとレオクラブのメンバーが交代で詰め、毎日2000~4000人もの人々にチーズや肉の入ったパン、スイーツ、伝統的なヨーグルトドリンクなどの食事を提供。毛布5000枚、オムツ5000パック、ベッド500台、シーツセット1000個、下着、靴下、おもちゃ、靴、せっけんなども配布された。

地震発生から3日目の晩は気温が下がった。しかし救助作業が優先されるため、被災者用のテントに電気は届かない。そこでライオンズは、ストーブ、ドラム缶、まき40トンを用意し、テントで暖を取れるようにした。支援用テントにやってきたある老夫婦は、
「私たちはこれまで人に頼ることなく生きてきました。そして仕事を引退し、隠居後の穏やかな人生を思い描いていた矢先、家を失ってしまったのです。そうした中で、ライオンズの皆さんが家族のように温かく接し、支援の手を差し伸べてくれたことにとても心を打たれました」
と、感謝の言葉を口にした。

こうした支援活動が休むことなく続けられた10日後、新型コロナの感染拡大が止まらないことから、全てのボランティアに現場を離れるよう指示が出された。ライオンズは、被害が最も大きかったエリアと、工場の貯蔵所エリアの2カ所に、トルコ全土のクラブから集められた支援物資の保管所を設置。またマスクや消毒液、飲料水を引き続き配給するための小さなスタンドを残した。

建物の安全確認が進むにつれ、倒壊の恐れがある何百もの建物が取り壊され、更に多くの被災者が家を失うことになった。ライオンズはLCIF緊急援助交付金1万ドルと、国内外のライオンズクラブから届けられた支援金で、人数を増す被災者を支援し続けた。

1999年8月にトルコで発生したマグニチュード7.4のマルマラ地震では、1万7000人が犠牲となり25万人が家を失った。以来トルコのライオンズクラブは子どもにも大人にも地震について学ぶ機会を提供し、防災意識の向上を図ってきた。トルコで暮らす人々にとって、地震は身近な現実なのだ。

トルコ・ライオンズのゼイネップ・コカシナン元地区ガバナーは言う。
「自ら地震の恐怖や被害に脅かされながらも、ライオンズとレオクラブのメンバーが協力して被災者を支援する姿に、深い感動と誇りを覚えました。私のライオンズへの信頼、そして奉仕という基本理念の持つ力に対する私の信念は、更に強くなりました」

2021.04更新(文/ジョアン・ケアリー)