国際財団"地上の楽園"を
取り戻すために

“地上の楽園”を取り戻すために

「地上の楽園」とも呼ばれるオーストラリア。世界第6位の総面積を誇り、北東部の青々とした熱帯雨林から南部の雄大な山々に至るまで、息をのむほど見事で多彩な景観を見ることが出来る国だ。しかし2019年から20年に掛けて、この美しい国は史上最悪の森林火災に見舞われた。「地獄の門が開いたかのようだった」と言う人もいるほどだ。

オーストラリアで山火事は珍しいことではない。夏季の数カ月間は干ばつと強風に見舞われるため火災が発生する危険性は常に高く、人々は注意を払ってきた。しかし後に「ブラックサマー」と呼ばれるようになる19年の被害は尋常ではなかった。東京都の50倍以上の面積が焼失し、数千人が家を失い、10億匹もの動物が死んだ。その傷跡は今後数十年は消えないだろうと言われている。

ニューサウスウェールズ州、ビクトリア州、南オーストラリア州では空が煙で覆いつくされる中、ライオンズが迅速に結集し、炎に立ち向かう消防士らの食事の手配や、負傷者の治療に当たった。ライオンズはまた緊急援助物資の収集や配布、募金活動も行った。

202-N1地区のライオンズはより大規模な活動を行うために、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)に交付金を申請。災害援助交付金10万3000ドルを活用し、飲料水用の新しい貯蔵タンクを設置した。この地域には地上に飲料水タンクを設置する家庭が多いが、火事の熱で溶けてしまい、安全な飲料水が行き渡らなくなっていたのだ。更にLCIFは大災害援助交付金20万ドルを拠出。緊急支援活動と同時に、特に被害の大きかった地域での災害復旧プロセスを開始した。

グドラン・イングバドターLCIF理事長は、生粋のオーストラリア人であるバリー・パーマー元国際会長と共に、大きな被害を受けた町の一つ、シドニー南西部にあるバルモラルを訪問した。2人は、住む家や仕事、生活を取り戻すため懸命にがんばっている住民らに会い、話を聞いた。LCIFが公開した動画「豪州の山火事被災地に希望をもたらす」に、人々の偽らざる気持ちと測り知れない損失の様子が収められている。

更に新型コロナウイルス感染症が、山火事がもたらした困難を乗り越えようとしていたオーストラリアの人々に新たな課題を突き付けた。政府は感染症拡大防止を優先せざるを得なくなり、山火事被災地の多くは手つかずのまま残されてしまった。経済的・精神的苦しみから抜け出せていない人々も大勢いる。そうした状況の中、真っ先に被災地に駆け付けたライオンズは、人々のニーズに応え希望をもたらすために、今もそこにとどまり支援活動を続けている。LCIFも交付金の拠出を通じてライオンズと共に人々に寄り添い、地上の楽園の再建を支援している。

2020.11更新(文/ララ・ルベック、カリン・ラーナー)

●LCIFビデオ「豪州の山火事被災地に希望をもたらす」