国際財団トリアージ拠点となる
キャビンを病院に設置

トリアージ拠点となるキャビンを病院に設置
スリナムの首都パラマリボにあるスランズ病院に設置したトリアージ・キャビンの贈呈式典に集合するライオンズ

新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行する中でも、ライオンズクラブは奉仕の在り方を模索し、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)はそれを支援している。LCIFはパンデミックの中で地域社会を守るために活動するライオンズに対して、8月半ばまでに全世界で累計333件、総額500万ドル以上の交付金を拠出した。

スリナムの首都パラマリボにあるスランズ病院は、新型コロナの患者で満床状態だった。院内にトリアージ(患者の緊急度に従い優先順位を決定すること)を行うスペースが無いばかりか、コロナ患者を収容するために皮膚科の区画まで使おうとしていた。看護師と警備員は病院の出入り口で、来訪者全員の体温を計測する。スランズ病院では何としても、より広いスペースを確保し、患者の振り分けを効率的に行えるようにする必要があった。

屋外に設置された放射温度計のテストを行うライオンズ・メンバー

そこで病院は、地域で奉仕活動のリーダーとして認知されているライオンズクラブに相談した。スリナムのライオンズはこの難題に取り組む意欲は高かったものの、財政的には自分たちだけの力では不十分だと判断し、LCIFに支援を求めた。LCIFは緊急援助交付金として1万ドルを拠出、ライオンズは病院本館の外にトリアージ拠点となるキャビンを設置した。この新しい施設は、患者や病院スタッフの安全を保つ上で重要な役割を果たすものになった。

トリアージ・キャビンは新型コロナの症状が出ている患者専用として厳重に管理され、他の患者との接触を防ぐ上で大いに役立っている。スランズ病院には外来患者が1日当たり1200人以上おり、妊婦やさまざまな疾患を抱えた患者など、コロナに感染した場合にリスクの高い人も多いのだ。

キャビン内にはいす、ベッド、消毒用の設備などがあり、患者はここで検査結果を待つことも出来る

キャビンには、いす、ベッド、消毒用の設備などが整えられ、入り口には放射温度計が設置されている。非接触で体温が測定出来、これまで検温に割いていた人手を省ける上、患者の待ち時間も短くなった。また患者は快適なキャビンの中で、コロナ感染の検査結果を待つことが出来る。

新型コロナ収束のめどは立たず、ワクチンも開発途中の今、このトリアージ・キャビンを常設の施設として開設したことは、非常に効果的であった。収束後も予備の病室として、あるいは感染症に罹患(りかん)した可能性のある患者と他の患者との接触を防ぐために、活用される予定だ。

2020.10更新(文/ジェイミー・ウェーバー)