トピックス 2019-20年度
LCIF理事長公式訪問

2019-20年度LCIF理事長公式訪問

7月29日、愛知県名古屋市のキャッスルプラザにおいて、グドラン・イングバドターLCIF理事長の公式訪問が行われた。イングバドターLCIF理事長は7月9日のミラノ国際大会最終総会で国際会長を退任し、ライオンズによる人道奉仕事業を支援するライオンズクラブ国際財団の理事長に就任した。

イングバドター理事長は講演の中で、1968年のLCIF創設から50年間の成果を振り返った。財団創設以来の交付金は約11億ドルで、1万5000件のプロジェクトをサポートしており、世界中のライオンズがLCIF交付金を活用して人々の暮らしに変化をもたらしているとして、次のように述べた。

「こうした成果を可能にしたのは、皆さんのようにLCIFに寄付を寄せてくださった一人ひとりの方々です。皆さんはLCIFに寄付をすることによって、世界中の人々に贈り物をしていることになるのです。過去50年の間にOSEAL地域には2億ドル、日本に対しては4000万ドルが交付されました。皆さんの寄付の結果として、日本で、そして世界中で実施された数え切れないほどの奉仕事業について考えてみてください。私はとても誇りに思います」

また、日本のライオンズによるLCIFへの寄付について、昨年度の寄付総額1250万ドルは、OSEAL地域を除いた他の会則地域の寄付総額を上回っていると説明。1970年以降の日本のライオンズの累計寄付額は3億6200万ドルに上っており、イングバドター理事長はその大きな貢献に対し感謝の言葉を伝えた。

イングバドター理事長は更に、LCIFはライオンズの人道奉仕を支えるために新しい方法を検討しているとして、昨年度新設された地区及びクラブシェアリング交付金について説明した。地区およびクラブシェアリング交付金は寄付額の15%が地域の人道奉仕事業プロジェクトに対して交付されるもので、既に日本の地区やクラブで活用が始まっている。イングバドター理事長はこの交付金は、日本のライオンズにとって非常に大きな機会となるもので、ぜひ活用してほしいと呼び掛けた。また、今年度2年目に入ったキャンペーン100はこれまでで最も野心的な資金調達キャンペーンであり、視力、災害支援、青少年、人道奉仕という従来取り組んできた分野に加えて、増大する新たなニーズに応えるライオンズを支援をために、全てのクラブ、全ての会員の協力が必要だと訴えた。

イングバドター理事長の講演に続いて、LCIFキャンペーン100委員長で、今年度LCIF副理事長を務める山田實紘元国際会長による講演も行われた。

山田委員長は、さまざまな問題を抱える日本社会が萎縮し、国際社会での存在感が低下する中、世界200カ国以上の中でLCIFに最も貢献しているのが日本であることに誇りを持ち、ライオンズとして地域だけでなく、世界に貢献していることを再認識してほしいと述べた。そしてヨーロッパにおける難民政策やアメリカの自国第一主義を例に挙げ、「国の施策が時によって変わるのに対して、人道的奉仕のライオニズムは未来永劫変わらないもので、人として奉仕することを哲学として持ち続けることが出来る。それがライオンズなのです」と話した。

LCIFキャンペーン100については、過去に大きな成功を収めたキャンペーン視力ファーストの資金が視力保護にのみ使われたのに対して、キャンペーン100の資金は、世界のライオンズ・メンバーに対するアンケート結果から上がってきた糖尿病や小児がん、環境など多様な分野で、それぞれの国情に合った事業や、自分たちが力を入れたいプロジェクトに活用することが出来ると説明し、次のように協力を呼び掛けた。
「キャンペーン100には会員全員、100%が協力するという意味がある。自分の出した寄付でどこかの誰かが助かればそれが自分の幸せになる、そう考えれば、100ドルの寄付をすることは簡単なことだと思います。そうしたことを、皆さんにしっかりとご理解頂きたいと思います」

講演が終了した後、イングバドター理事長と山田委員長からLCIF寄付及びキャンペーンに大きな貢献を果たした会員に対する表彰が行われて、公式訪問は閉会した。

2019.08更新(取材/河村智子)