トピックス 加古川ツーデーマーチで
糖尿病予防啓発活動を実施

加古川ツーデーマーチで糖尿病予防啓発活動を実施

11月10日(土)11日(日)の2日間、兵庫県加古川市で「加古川ツーデーマーチ」が開催され、2日間合計で約8400人が参加した。初日の10日には、加古川市など兵庫県西部のライオンズクラブで構成される335-D地区(小林聰地区ガバナー)内60クラブの8割に当たる48クラブから約350人の会員、家族が参加。糖尿病予防を呼び掛けるタスキを掛け、加古川駅前など市街地を中心とした5kmコースを歩いた。

加古川市は明石市と姫路市のほぼ中間にある東播磨の中核都市。加古川ツーデーマーチは1990年に市制40周年記念事業として始まった。以来、毎年11月第2週の土曜日曜の2日間開催されており、今年で第29回目を迎えた。40km、20km、10km、5kmの各コースがあり、40kmコースは加古川を渡り志方町や平荘湖を巡る西北コース(美しい日本の歩きたくなるみち500選該当)と、加古郡稲美町、播磨町へ向かう東南コースが2日間日替わりで設定される。参加者が各コースを巡り歩き、加古川市や東播磨地方の自然や歴史、文化に親しみながら、地元の人や参加者同士の交流、健康促進を図ることを目的にしている。

加古川ツーデーマーチは、日本マーチングリーグ(全国18大会)公式大会、及びオールジャパン・ウォーキングカップ(47都道府県81大会)認定大会となっており、国内のウォーキング大会では主要大会の一つに数えられる。各コースの途中にはチェックポイントが数カ所設置され、参加者はここでコースマップにスタンプを押してもらい通過する。またチェックポイントでは、地元の人による豚汁やぜんざいなどの提供がある他、大学祭や団地祭りなど開催中の地域のイベント会場を通るコースもあり、参加者と市民の触れ合いの場ともなっている。

ライオンズクラブではもともと、地元の加古川中央ライオンズクラブ(上田豊之会長/87人)と、加古川清流ライオンズクラブ(冨田万理子会長/23人)が大会に協力。加古川中央ライオンズクラブは朝6時から始まる参加受付業務を担当し、加古川清流ライオンズクラブは会場内にブースを設け豚汁やおでんの提供を行う。今年も両クラブ会員たちは早朝からそれぞれの担当箇所で準備を開始し、大会のサポートに当たった。

写真提供/大谷祐介(姫路広陵ライオンズクラブ)

今回はこの2クラブの活動に加えて、地区内会員が大会そのものに参加すると共に、会場内に糖尿病予防啓発のためのブースを設置した。啓発ブースでは、兵庫県糖尿病協会の協力を得て、同協会会長で県立姫路循環器病センターの大原毅副院長と、県立加古川医療センターの看護師、県糖尿病協会栄養部会の栄養士による糖尿病予防相談会と血糖値測定を実施。また、隣のテントでは、一般社団法人日本ライオンズが日本糖尿病協会と共同製作した冊子『まるごとわかる糖尿病』1200部を用意。大会参加者や会場を訪れた市民に配布した。

今年度、地域にとってインパクトのある奉仕を行うことを方針の第一に掲げる小林地区ガバナーは、
「地区ガバナー就任前の今年2月、大阪市で国内35地区の次期地区ガバナーを対象とした研修が開催され、その中でグローバル奉仕チーム(GST)のエリアリーダーから、糖尿病予防に関する奉仕への取り組みについて説明を受けました。それを聞いて、今年度のメイン事業に糖尿病予防活動を据えたいと考えました。そこで、当地区の太田久之GSTコーディネーター(加古川中央ライオンズクラブ)に相談したところ、加古川ツーデーマーチへの参画が提案され、それを採用させて頂いた次第です」
と、今回の経緯を説明してくれた。

岡田康裕加古川市長(写真右)に、日本ライオンズで製作した糖尿病読本を渡す小林地区ガバナー(左)

方針決定後、地区役員たちは早速行動を開始。各方面と調整した結果、はりま糖尿病協会(姫路市/岡田兼明会長)と共に啓発活動を進めることに合意した。これに基づき、まず8月20日に姫路市のホテルサンシャイン青山で、ライオンズ・メンバー400人を集めた糖尿病勉強会を開催。そして今回の加古川ツーデーマーチでの啓発活動へとつなげた。

加古川ツーデーマーチにおける糖尿病啓発活動には、兵庫県から「兵庫県政150周年記念事業」の助成金として50万円が県民の健康増進を図る目的で交付されている。また、ライオンズクラブ国際財団(LCIF)からも、今年度から新設された「地区及びクラブシェアリング交付金(DCG)」を得ており、地区内全クラブからの協賛金と共に、今回の事業に活用された。

県立加古川医療センターの看護師による血糖値測定

ここ数年で、世界の糖尿病人口は爆発的に増加。国際糖尿病連合の推計では、2010年の2億8500万人が15年には4億1500万人になり、40年には6億4200万人に増えることが予測されている。こうした状況を踏まえ、ライオンズクラブ国際協会は糖尿病を21世紀最大の健康危機と捉え、国際協会創設100周年を機に打ち出した五つの奉仕分野の一つに選定。現在、日本を始め世界各地で糖尿病予防のための啓発活動が展開されている。

2018.11更新(取材・撮影/鈴木秀晃)