トピックス 新たな一歩を踏み出した
ラスベガス国際大会

新たな一歩を踏み出した ラスベガス国際大会

最終日総会(閉会式)の終盤、グドラン・イングバドター新国際会長(アイスランド)は歴代国際会長に見守られて就任の宣誓を行い、アガワル国際会長から国際会長の指輪と槌を受け継いだ。国際協会創設から101年、1987年に女性会員の入会が認められてから31年を経て、初の女性国際会長の誕生した歴史に残る瞬間だ。宣誓を終えたイングバドター新国際会長はライオンズに地平線の向こうにある新たな奉仕の世界を目指そうと呼び掛け、総会の最後に地区ガバナーが就任の宣誓を行い、2018-19年度がスタートした。

3回の総会のうち、初日総会ではナレシュ・アガワル国際会長、2日目総会ではボブ・コーリューLCIF理事長の年次報告が行われて、2017-18年度を締めくくった。アガワル国際会長の年次報告では、年度末会員数が史上最多の145万3236人に達したことや、奉仕受益者の数が1億1300万人に上ったことなど報告。コーリュー理事長はLCIF50周年記念キャンペーンの献金額が5072万7000ドルで目標に達したことや、昨年9月に中南米を襲ったハリケーン被災地への支援を始めとする交付金事業の成果を報告した。また初日総会ではサンジェイ・グプタ医師がグローバル重点分野の一つで目下の焦点である糖尿病について語り、2日目総会ではジョージ・W・ブッシュ元アメリカ大統領が在任当時のエピソードや現在の世界情勢について対談形式で語る講演があった。基調講演としては、前回のシカゴ国際大会で地球温暖化への警鐘と人類の希望を語ったアル・ゴア元米副大統領に比べてメッセージ性に乏しく、やや物足りなく感じられた。

大会の本部ホテル、MGMグランドは客室数5000室以上のホテルにカジノ、アリーナ競技場などを含む巨大複合施設。インターナショナル・パレードを除く主要プログラムはMGMグランド内で行われた。期間中のラスベガスは連日雲一つない青空で、日中の気温が40度を超える高温が続いた。大会の開幕を飾るインターナショナル・パレードは高温を考慮して通常よりスタート時間を早め、距離を1kmに短縮するなどの対策を打り、ラスベガスのダウンタウンで行われた。強烈な日差しにも負けず、例年通りの華やかなパレードが繰り広げられたが、パレード・コースが本部ホテルのあるエリアから離れており、会場とスタート地点とを結ぶシャトル・バスの輸送が追いつかず、自国のパレードに間に合わなかった人が続出。帰路のシャトル・バス乗り場も混雑で大混乱を来していた。日本は約1300人の参加が見込まれていたが、隊列はそれよりもかなり短く感じられた。

期間中は奉仕事業や運営に関するさまざまなセミナーが行われた。昨年までは日本語セミナーがあったが、今大会では東洋・東南アジア(OSEAL)地域の会員を対象にOSEALセミナーが開かれ、同時通訳を入れた参加型のセミナーとなった。セミナーの他にも、展示ホールにグローバル重点分野の視力、飢餓、環境、小児がん、糖尿病を中心に奉仕活動について発表する「サービス・ジャーニー・ステージ」など三つのステージが設けられ、参加者はアイデアや体験を共有した。

今大会の登録者は会期前の6月22日時点で1万5868人、日本からはアメリカの4985人に次ぎ2番目に多い1816人の登録があった。

2018.07更新(取材・写真/河村智子、井原一樹)

【代議員投票結果】
今大会の代議員数は4319人。代議員による国際会長、国際第1、第2、第3副会長、国際理事(改選定数17人)の選挙と国際会則及び付則改正案の賛否投票の結果は次の通り。
■2018-19年度国際会長:グドラン・イングバドター(アイスランド・ガルザバイル)
■2018-19年度国際第1副会長:ジュンユル・チョイ(韓国・釜山)
■2018-19年度国際第2副会長:ヘインズ・タウンゼント(アメリカ・ジョージア州ダルトン)
■2018-19年度国際第3副会長:ブライアン・E・シーハン(アメリカ・ミネソタ州バードアイランド)
■2018~20年国際理事17人中、OSEAL地域の国際理事:
安澤莊一(日本・福島)
ジョンソク・キム(韓国・昌原)
リャオチュアン・ホァン(台湾・桃園)

■国際会則及び付則改正案
第1項:「準地区」と記述されるべきところが「複合地区」となっている記述を正す事務処理的な改正案【可決】
第2項:国際付則の最近の改正に整合させるため、長期計画委員会の構成内容を修正する事務処理的な改正案【可決】
第3項:国際会則の最近の改正に整合させるため、理事会構成員の同時就任に関する規定を改める事務処理的な改正案【可決】
第4項:国際理事会の常設委員会にテクノロジー委員会を加える改正案【可決】