国際財団視力ファーストで新しい
人生を手に入れた人たち

視力ファーストで新しい人生を手に入れた人たち
緑内障により失明したコンスタンは視力ファーストの訓練プログラムを受け眼鏡作りで生計を立てるようになった

ライオンズクラブ国際財団(LCIF)の視力ファースト(SF)事業は30年近くにわたり視力の回復や保護活動に従事、現在では世界102カ国で実施されている。この特別な活動は、総合的な眼科医療システムを構築し、眼科医療の乏しい地域で生活する人々を支援することを目的としている。

SFの事業内容には、眼科医療に携わる専門家の育成や人材管理、既存の眼科医療システムのインフラ整備、目の不自由な人々の教育・リハビリへのアクセスの向上、目の健康の重要性に関する認知向上などが含まれる。ライオンズとSFはまた、未矯正の屈折異常やトラコーマによる細菌感染症など、多様な問題に取り組んでいる。これらの回避可能な失明に対する予防の取り組みは、LCIFのSF交付金によって支えられている。

変化を生み出すライオンズ
世界の視力障害のうち約80%は予防可能だ。「盲人のための騎士」として、ライオンズクラブは世界中で失明の危機にさらされている人々の生活を改善している。

西アフリカのブルキナファソでは2年間のSFプログラムが展開中で、眼科医療サービスの無い地域の人々に、アイケア・サービスを提供している。2018年にSF交付金として11万746ドルが拠出され、ライオンズと地元組織「ワン・ダラー・グラス」が四つのクリニックを開設、視力検査を無償提供している。更に、眼鏡を安価で提供、それでも経済的に購入が難しい人には無償で配布する。延べ12万4000人に視力検査を実施、2万6400個の眼鏡が処方される予定だ。

以下は、このプログラムによって人生が大きく変わった人たちの事例である。

フランソワ
65歳になるフランソワは、25cm以上離れると物がよく見えなかった。それでも朝4時に家を出て、45km離れた職場までバイクで通わなければならない。道はでこぼこで危なく、何度か軽い事故も起こした。前を走るバイクに接近し、何とか道を見失わないようにする。そういう毎日だった。

フランソワの目はすぐに治療が必要だったが、彼の村に医療施設はなかった。ある日、友人から新しく出来たクリニックで眼科治療が受けられると聞き、フランソワは長く険しい道中をクリニックへと向かった。検査後すぐに彼の視力に合わせて作られた眼鏡は、10ドルという安価で購入することが出来た。フランソワは眼鏡をかけると笑顔になり、何もかもがはっきりと見えると眼科医に話した。バイクで家に帰る時は、もう前のバイクを追う必要はなかった。

イドリッサ
毎朝、イドリッサは起きるとすぐに自分のレストランに直行する。彼の得意メニューはアボカドサンドイッチ。トマト、玉ねぎ、アボカドを焼きたてのバゲットでサンドする。近所の人の朝の定番だ。イドリッサは仕事を愛していたが、視力の低下が大きな問題になっていた。今ではバイクでの配達は兄弟に手伝ってもらわなくてはいけない。配達先でのお客さんとの会話が無くなり、新しいビジネス・チャンスを失うことになった。

そんな時、新しいクリニックで無料の視力検査と安価な眼鏡を提供していることが、近所で話題になった。イドリッサはすぐに人生で初めての視力検査を受け、ついに眼鏡を購入した。

たちまち彼の人生は変わった。自身による配達を再開し、馴染みの客との会話を楽しんだ。新しい出会いや事業拡大も考えている。30歳にして、イドリッサは自分が生まれ変わったように感じていた。この経験を他の人にも伝えたいと、レストランの壁にクリニックに関するポスターを貼り、弱視に苦しむ人々が新しい人生を手に入れられるように願っている。

コンスタン
4年前、コンスタンは完全に失明した。 原因となった緑内障は、深刻な状態になるまで自覚症状が表れず、放置すると失明につながることもある病気だ。今年29歳になったコンスタンは無職。そんな時、近所にSFのクリニックが設立され、眼鏡の製造に携わる人を募集した。コンスタンは訓練を受け、眼鏡製造者として自活出来るようになった。彼の製作するメガネは、毎年何千人もの人々の生活を変化させていくだろう。

LCIFのSFプログラムと地元のライオンズや支援団体の取り組みにより、彼らのように眼科医療に恵まれていない環境で生活する人々が、自らの力で新しい生活を始めるチャンスを得ている。

2019.12更新(文/ジェイミー・ケーニヒスフェルト)