活動報告患者の健康回復を祈り
骨髄バンク支援活動

患者の健康回復を祈り 骨髄バンク支援活動

去る2月12日、競泳女子の池江璃花子選手が白血病発症を公表した。すると全国で白血病に対する関心が高まり、骨髄ドナー登録に関する問い合わせ、登録申し込みが急増した。日本骨髄バンクには数百件の問い合わせがあったそうだ。

高知県内の血液センターも同様の状況で、定期の登録会に加えて早急に臨時の登録会を行う必要があるということで、高知黒潮ライオンズクラブ(大薮芳文会長/70人)に支援依頼があった。「献血ルームやまもも」では月1回だった登録会を、しばらくの間、毎週末に行う。また2カ月に1回、イオンモール高知を会場に実施していた登録会も、急きょ2月、3月と連続開催。2月の登録会については高知新聞・読売新聞に掲載され、3月はNHK及びRKC放送が当日夕方のニュースで登録会の状況を放映した。県内の2~3月の登録者は、通常の3倍以上に上った。

当クラブ・メンバーで内科医の依光聖一は2月14日、クラブが取り組む「ドナー助成金制度」についてNHK高知放送局の取材を受けた。制度の詳しい内容は後述するが、翌15日にはラジオ及びテレビで「骨髄提供の休業補償広がる」として、高知黒潮ライオンズクラブの活動が紹介された。更に3月27日にNHK高知放送で「特集:骨髄ドナーを増やせ 広がる支援(助成制度)」が、4月15日には全国放送のNHK「おはよう日本」でこれを再編集した内容が放映された。池江選手の白血病公表を受けて、当クラブの骨髄バンク支援活動が新聞・テレビなどマスコミで度々取り上げられ、全国に流れる結果になった。

高知黒潮ライオンズクラブは10年前から、高知県骨髄バンク推進協議会(溝渕樹会長)と協力し、骨髄バンク支援をクラブの重点奉仕活動にしている。県下各地でのドナー登録会開催による登録者の確保と、ドナーが提供しやすい社会環境整備「ドナー助成制度」の普及が2本の大きな活動の柱だ。

下記のグラフは、高知県内ドナー登録者数の推移である。高知黒潮ライオンズクラブが支援を開始した2009年以降の登録者数は、年平均300人以上。昨年は432人に上り、このうち約80%が当クラブの実績だった。現在27人のクラブ・メンバーが(財)日本骨髄バンクの説明員資格を取得し、県内各地で年間50回近くの登録会を行っている。11年からは県内のいくつかのライオンズクラブにも波及し、活動の輪が広がっていった。現在高知県のドナー登録は、高知黒潮ライオンズクラブを中心としたライオンズクラブの活動によるところが大きい。

また、ドナーが骨髄提供しやすくするための社会環境整備にも力を入れている。ドナー登録は2mlの採血で完了するが、白血球の型が適合してドナーに選定されると、3泊4日の入院を含め1週間以上の休業が必要となる。現役で働く社会人にとってこの負担は大きい。少しでもドナーの負担を軽くするため、当クラブ・メンバーが経営する21の事業所は、08年に「骨髄ドナー休暇制度」を採用した。社員がドナーに選定された場合、通常の年次休暇以外に「ドナー休暇」を付与するものだ。

更に15年、「高知黒潮LC骨髄・末梢血幹細胞提供ドナー基金」を創設した。民間では全国初のドナー助成金制度である。新聞・テレビでも大きく報道された。これまでに県内で骨髄提供頂いた17人のドナーに、助成金を支給した。しかし本来は各自治体が公的にこうした助成金制度を構築すべきと考え、各市町村での制定を高知県へ要請しているところだ。ありがたいことに、現在9市町村が実施し、提供人口(20~54歳)比率では県内の76.1%に達した。一日も早く県下全市町村で実現することを願っている。

今、国内では日本骨髄バンクを介して、毎年1200~1300件の血液難病患者への骨髄移植が行われている。私たちは一人でも多くドナー登録者を得ることで、血液の難病で苦しむ患者が一人でも多く、そして一日も早く健康を回復することを祈りながら、骨髄バンク支援の奉仕活動を続けている。

2019.06更新(元クラブ会長、環境保全・保健福祉・アラート委員/松石高雄)