投稿リポート カンボジアへ3年連続の
小学校寄贈と鉄の魚贈呈

カンボジアへ3年連続の小学校寄贈と鉄の魚贈呈

昨年、一昨年と2年連続でカンボジアに小学校を寄贈してきた新津ライオンズクラブ(吉井保夫会長/27人)は、今年も2月15日、プレアピア県クーレン郡にマレッチ小学校を寄贈し開校式を行うことが出来た。開校式には在カンボジア日本大使、カンボジア政府から総務省副大臣、州知事が来賓として出席され、学校長、子どもたち、父兄、地元住民合わせて約1000人が参加し、盛大に挙行された。

今回は更に、カンボジアの人を貧血から守る「鉄の魚」500個も贈呈した。3年間の小学校寄贈事業の傍らカンボジア人の健康状態などにも注視していたところ、44%もの人が貧血に苦しんでいることが分かった。特に妊産婦への影響は深刻で、早産、流産、死産の原因にもなっている。鉄の魚はこぶしの中に収まるくらいの小さな魚の形をした鉄で、食材と一緒に鍋に入れて10分間煮るだけで、1日の鉄摂取量の75%(60~300㎎)が放出され食品や水分に混ざる。これによりヘモグロビンが増え、血液中に酸素がたくさん運ばれて、貧血の改善が図られるのだ。

        鉄欠乏性貧血の予防に役立つ「鉄の魚」

この鉄の魚は、カナダ人のクリストファー・チャールズ氏が2008年にカンボジアに滞在した際、貧血の社会的影響を目の当たりにしたことに端を発し誕生した。チャールズ氏は調理中の鍋に鉄の塊を入れるだけで貧血が改善されることを知っていたが、人々はそれを使いたがらなかった。そこでカンボジアで幸運のシンボルとされている魚の形に鉄を成型したところ大当たり。「Lucky Iron Fish」と呼ばれて人々に受け入れられるようになった。病院やNGOなどもこれを配布して、鉄欠乏性貧血の改善に効果を上げている。

新津ライオンズクラブは県内の鉄鋼業者に1000個の鉄の魚を発注し、昨年行ったチャリティー・コンサートで400個、その他の機会に100個の計500個を販売した。1個ご購入頂くごとに、カンボジアのご家族に1個をプレゼントするマッチングギフトだ。500個は日本のご家庭で家族の健康のために役立てられ、もう500個は今回のマレッチ小学校開校式の際に持参し、参加者一人ひとりに手渡すことが出来た。

今はまだ当クラブ・メンバーが購入したり、地元市民に販売したりと地味で小さい事業かもしれないが、より多くの方々に知って頂き、支援を必要としている世界の人々に手を差し伸べる大きな活動にしたいと考えている。

2019.03更新(前クラブ会長/内山五郎)