国際財団家の無い人々に
生活再建の機会を

家の無い人々に生活再建の機会を

オーストリア・ザルツブルクのその男性は住む家が無く、月額500ユーロ(約62,000円)の小さなシェルターに寝泊まりしていた。シェルターには家具といえばマットレスが一つあるだけで、シャワーも付いていなかった。しかし2018年10月、彼はやっと人間らしい居住環境で生活出来るようになった。

彼のような人たちを対象とした住宅プログラムにより新たな建物が建てられたのだ。その真新しい建物は55人を収容可能で、入居者に人生を再構築し、社会の一員として新しい一歩を踏み出す機会を提供している。9月末までに170人の入居希望者があり、開所式が開かれた10月16日には既に3分の2以上の部屋への入居が済んでいた。ライオンズクラブ及びライオンズクラブ国際財団(LCIF)はその新しい部屋に、家具などの設備を提供した。

ヨーロッパでホームレス支援に取り組むNGO・FEANTSAが発表した調査によると、ザルツブルクには家の無い人が2017年現在で1700人以上いた。彼らは友人の家や、支援住宅、避難所、安価な宿などで暮らし、この中には270人の子どもも含まれる。

地元のNGO、ザルツブルク・スチューデントネットワークの取り組みであるこの住居では、職業訓練と人生のコーチングを受けながら、最長36カ月間暮らすことが出来る。建物はザルツブルク州と公的支援、一部は銀行ローンによって賄われたが、家具を用意するだけの資金は無かった。そこでザルツブルクのライオンズクラブとロータリークラブが、共同でそれを支援したのである。オーストリアの114-W地区のライオンズは自ら調達した資金に加え、LCIFから5万ドルの交付金を得ることが出来た。各部屋にはキッチンカウンターとシンク、棚、テーブルと椅子、ソファーベッド、ワードローブが備えられた。

ハンスイェルク・ブルナー事業委員長は、市民が安定した生活を手に入れるための機会を提供するこの事業に誇りを持っている。こうした奉仕こそがライオンズが目指すものだと。彼は、ライオンズとLCIFが資金面の支援だけでなく、ザルツブルク内の社会的なネットワークを生かすことで更に支援を強化出来たことが重要だとする。

寒さが厳しくなるこの時期に新しい住居を提供出来たのは、最適なタイミングだったと言えるだろう。入居者はフルタイムの雇用の指導を受けながら安全に暮らせる場所を得たのである。地元のライオンズクラブは今後も職業訓練、メンタリング、就職支援などを通じてプログラムに関わっていく計画だ。またLCIFの支援を得て今後3年間で約100人の人々に恩恵をもたらすことになるだろう。

2019.01更新(文/ジェイミー・ケーニヒスフェルト)