取材リポート アーケードに
手作り風鈴取り付け

アーケードに 手作り風鈴取り付け

7月17日、富山市の中心部にあるユウタウン総曲輪(そうがわ)で富山いきいきライオンズクラブ(佐々木啓二会長/52人)の手作り風鈴フェスティバルが実施された。これは、クラブが昨年から実施している事業。8月の半ばまでユウタウン総曲輪の吹き抜けに風鈴をつるし、市民に楽しんでもらっている。風鈴には、市内の幼稚園や保育園の子どもたちに書いてもらった短冊を取り付けている。

クラブがこの事業を実施するようになったのは、同じ場所で5月に実施しているこいのぼり掲揚事業がきっかけだ。クラブの継続事業として実施しているこいのぼり掲揚は今年で13回を数えた。多くのこいのぼりと共に、市内の幼稚園、保育園の子どもたちに手描きで作ってもらったこいのぼりも飾っている。今まで市内の電車内につるしたり、川にロープを渡して掲揚したりとさまざまな場所で実施してきた。昨年からユウタウン総曲輪に場所を移して行っている。80ほどのこいのぼりが吹き抜けの中を泳ぐ姿は圧巻で、地域の方々からも、ユウタウンの方からも大好評だった。

ユウタウンでは以前から、夏になると市民の有志が風鈴をつるしていた。しかし、その数は多くなく、減少傾向にあったため、こいのぼり掲揚を好評のまま成功させたライオンズクラブに風鈴について打診があった。

そこで、クラブでは昨年、第1回手作り風鈴フェスティバルを実施することにした。近隣の幼稚園、保育園の子どもたちを集め、ペットボトルを使用して手作りの風鈴を作ってもらった。しかし、短冊に鈴を付けてもペットボトルでは、音がほとんど鳴らなかった。また、作成手順が難しく、初めて作る子どもたちは大苦戦。夏の暑い中、長時間の作業を強いることになり、結局メンバーが手伝って完成させざるを得ないといった状況になってしまった。

その反省から、今年は風鈴自体はガラスのものを購入し、そこに子どもたちの手作り短冊を付けるスタイルに変更した。また、こいのぼり掲揚で協力してくれた幼稚園、保育園全てに連絡をして、短冊作りに協力してもらった。実際に来てもらうとなると、少し遠い所の子どもたちの参加は難しくなる。この方法であれば、短冊を預かれば飾ることが出来るので、より多くの子どもたちに参加してもらうことが出来た。

割れやすいガラスの風鈴になったため、メンバーの作業はより注意が必要となる。今年は去年の倍近くになる約200個をつるす。ほとんどが脚立に上っての作業になるため、連携して行うことが大切だ。屋根があるとはいえ、夏の暑い時期。脚立の上り下りを繰り返すため、なかなかの重労働だ。メンバーは総出で作業に参加する。

吹き抜けになっているため、適度に風も吹き込む。屋根があるため、雨も当たらない。風鈴や鯉のぼりを掲揚するにはとても良い場所である。また、地域の方がよく通る場所でもあり、子どもたちを連れて来た保護者の方々の反応もすこぶる良いという。最近の子どもたちは風鈴に触れることがあまりないため、この事業が良い機会にもなっている。

一方で、風鈴の材質については検討の余地があるとクラブでは考えている。ガラスにしたことで音は良くなったが、子どもたちが気軽に扱えるものではなくなってしまったからだ。また、昨年はつるし終わったものを子どもたちに返していたが、今回は短冊については返却する予定だが、風鈴は割れ物であるため、それごと渡すかは未定だという。本当はそのまま飾れる形の方が望ましいが、一部だけが割れてしまうような可能性もある。

このように、検討すべき課題は多いが、地域の方々の評判は上々のこの事業。クラブでは今後も継続して実施していこうと考えている。

今年は、8月20日までつるす予定の風鈴。ユウタウン総曲輪では涼しげな音色が響いている。

2018.08更新(取材・動画/井原一樹 写真/関根則夫)