国際財団子どもの才能を目覚めさせる
"感覚の庭"

子どもの才能を目覚めさせる”感覚の庭”

アメリカ・ネブラスカ州にあるフリーモント公立学校の敷地内には、子どもたちのためのオアシス「感覚の庭」がある。38-O地区が7万5000ドルのLCIF交付金を受けて建設したこの庭は、子どもの五感を刺激するためにデザインされた遊び場で、小人の小屋や化石の庭、木の枝にぶら下げられたブランコ、重度の知的障害者を対象とした設備「スヌーズレンルーム」もある。障害を抱える子どもたちにとって、ここは安全に、快適に自分自身を探求出来る空間だ。

子どもから中高生、そして家族みんなでさまざまな体験・体感が出来る感覚の庭。玄武岩で出来た柱や水のせせらぎは視覚や触覚、聴覚に働き掛け、光の動きや反射は人々の気持ちを落ち着かせる。天井ガラスを通して降り注ぐ自然光の下には家族が集まり、風に揺れる優しいチャイムの音に耳を傾けながら、共に遊び学んでいる。

感覚の庭で受ける刺激は、障害のある子どもたちに積極的な態度や行動を促し、学習能力や運動機能の向上につながる。また、知覚障害や運動障害、聴覚障害などさまざまな障害に対する地域社会の認識にも変化をもたらしている。

「この庭は私たち家族が初めて見つけた、娘の障害を気にすることなく、みんなで楽しめる場所です」
そう話すのは、ネブラスカ自閉症センターに勤めるサマー・モウさん。

3歳のエイデン・クロム君も、この庭の恩恵を受けた一人だ。触覚防衛反応を持つエイデン君は、足の裏に触れるもの全てに痛みや恐怖を感じるため、膝立ちでしか歩くことが出来なかった。

感覚の庭に通い始めた当初もボールプールの端に座るのがやっとだった。しかし先生に励まされながら数週間通ううちに、少しずつプールに近づき、つま先を入れ、ついにはボールの中に足から飛び込むことが出来るようになった。今ではプールの中でボールに埋もれたり、手でボールを持ったり、固いいすの上に座ることも出来る。化石の庭を探検したり、泥の穴に足を入れてどろんこ遊びも出来るようになった。多くのことを体験し、成長したエイデン君は、幼稚園入学に向けて準備を進めている。

感覚の庭の責任者であるメアリー・ロビンソンさんは、庭の拡張を計画している。キャンプや芸術体験、食に関するアクティビティ、STEM教育(科学・技術・工学・数学領域に重点を置く教育)など、より多くの実体験が出来る空間にしたいと考えている。

2018.01更新(文/カサンドラ・ロトロ)